2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

引き続き、柄にもなく労働を語る

きのう書いたことの補足で、労働についての話。 『働いても働かなくても生きていける社会が理想』だと書いたが、いまの日本の社会の根本的な問題は、生きていくために働かなければならない絶対量が大きくなりすぎたことだと思う。この状態を変えないで、「若…

イベント報告と、ぼくの労働観

友だちの誘いで、29日に大阪市森之宮のアピオ大阪で行われた『フリーター・ワカモノ・失業 何とかしようや!の集い』という催しに行ってきた。 たいへん面白い集まりだったので、その報告を書こうと思ったのだが、まとめているうちに自分自身が労働等にか…

内田樹・ノストラダムス・朝鮮半島

今日も、他の方のブログで印象に残った記事の感想。 id:kwktさんのサイトで紹介されていた、下記の内田樹さんのインタビュー記事は、色々と個人的に考えさせられた。http://www.mammo.tv/interview/117_UchidaT/このなかで、内田さんは、インタビュー当時2…

脱落と自分

最近、もっとも印象に残った記事。http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20050419#p1 ぼくの場合は、id:ueyamakzkさんとは、事情が違うので、同じには語れないはずだが、ここに書いてあることは、少し判る気がする。 仮にかつては深刻な状態を経験していようとも…

テリトリーと言語の問題

先日、「反日デモ」に関する文章のなかで触れた、テリトリーということについて、もう少し書いてみたい。 この一連のエントリーを書いたことでぼく自身が実感したが、自分を包み込んでいるさまざまな政治的・権力的なテリトリー(勢力圏)の存在は、普段は実感…

尼崎市の事故

尼崎市で起きた鉄道事故は、まだ全容が明らかになっていませんが、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被害にあわれた多くのみなさんにお見舞いを申し上げます。 体験した人たちの様子をテレビで見ていると、10年前の阪神大震災のときや、やはり鉄道の中…

『デリダ、異境から』 その2

先日、甲南大学で行われた『デリダ、異境から』の上映とトークについて、簡単な感想をここに書いた。 映画の内容について、あまり詳しく書くことを遠慮したのだが、考えてみると、この作品は一般に見られる可能性が商業作品ほどには高くないので、見られなか…

「反日」及び「反日デモ」雑感 その4

上海にはそれまでも、ユダヤ人、インド人、朝鮮人、白系ロシア人、その他あらゆるヨーロッパとアジアの民族で、自国の保護をうけていない追放者や放浪者や亡命者、また商人が集まっていた。それらの守られざる人々、城壁をもたぬ民と同じ境遇に、在留日本人…

「反日」及び「反日デモ」雑感 その3

はじめに、昨日のコメント欄でご質問いただいた件ですが、重要なことでもあるので、次回のエントリーで少し詳しく書くことにします(結局、まとまらなかった)。 * 昨日の文章を書いた時点では、実を言うと上海でのデモや投石の映像をほとんど見ていなかった。…

「反日」及び「反日デモ」雑感 その2

昨日書いたことの続き。 「反日」感情についてではなく、具体的に今回のデモそのものを、どう考えるべきか、ということ。実は、これがたいへん悩ましい。 ぼくは、この地域の安定のためには、今後話し合いや交渉によって、中国と日本をはじめとしたこの地域…

「反日」及び「反日デモ」雑感その1

中国でのいわゆる「反日デモ」に関しては、相反する二種類の解釈があるようだ。 ① 侵略戦争という「過去の事柄」についての謝罪や反省を日本が示していないことが、大きな原因であるという意見。靖国神社への参拝問題や、歴史教科書の問題などによってそのこ…

大統領の理髪師

韓国映画『大統領の理髪師』を見た。 6〜70年代の韓国社会の歴史を背景に、大統領官邸直属の理髪師となった一人の中年男の哀歓を描いている。前半は特にコメディー調に、後半非常に辛い話となるが、ペーソスと虚構を作り上げる精神を忘れず、見事な娯楽映…

『デリダ、異境から』

うーん。 シックスセンスとはちょっと難しかったなあ・・・。 まあ、次がある。 17日日曜日、神戸の甲南大学で行われた、映画『デリダ、異境から』の上映会とトークの催しに行ってきた。主催は、同大学人間科学研究所であった。 上映の後のトークには、同…

マイノリティ論再考(DGを援用して)

昨日の記事にコメントやトラックバックをいただき、ありがとうございました。 あれから考えたこと。 まず、コメント欄でも少し書いたように、ぼくは日本の現状としては、これまで「国民」としてマジョリティであるとされていた人たちも「マイノリティ化」し…

「断片的な声」についての補足

一昨日書いたことへの補足。 かなり荒っぽいところのある話だったので、特に「マジョリティ」と「マイノリティ」といった言葉に関連して、もう少し整理してみたい。

ネットとマジョリティの「声」

前回、「おしゃべりの場」としてのブログの可能性ということを書いたが、これを「趣味」的な言説の共同体という日本のブログの特性から分離することは難しい。 むしろ、両者は分かちがたく結びついているというのが、正確な現状の表現だろう。これは、「ブロ…

続々・『パッチギ!』

昨日、映画『パッチギ!』(すみません。いままで!が抜けてました)の感想を二本紹介しましたが、新たにid:kwktさんが、ご自分の見事な感想を含む、この映画のさまざまな感想を読めるトラックバック二本を送ってくださいました。お読みください。 http://d.ha…

最近の日本映画

紹介し忘れていたが、ぼくの若い友人である小埜田君が、先日の『パッチギ』の感想へのトラックバックとして、自分のブログに書いた感想を送ってくれた。力のこもったいい文章なので、ご一読ください。http://blog.livedoor.jp/masatix/archives/13625431.htm…

ブログ・ナショナリズム・子規

昨日書いた、ブログ公開三ヶ月にあたって思うこと、の続編。 ブログというジャンルについて、今思っていること。 やや漠然とした話になるが、自分もやっているブログ、特に「日本のブログ」というローカルな特殊性を持つ表現様式に関して、どう考えるか。 以…

三ヶ月目の所感

今年の1月10日にこのブログを公開しはじめてから(付け出したのは同7日から)、今日でどうにか3ヶ月目を迎えることができた。 これまで読んでくださり、支えてくださった皆さんに心から感謝します。 実は今週から、事情があって、更新が今までほどは頻繁…

武田泰淳のカミングアウト

講談社文芸文庫から『身心快楽 武田泰淳随筆選』という本が出ていて、武田泰淳が戦後に書いたエッセイや講演録、出征した日中戦争の戦場から竹内好などに書き送った手紙、また日本に戻って昭和15年前後に「中国文学月報」に連載した戦場体験を下にしたエッ…

憤怒の父はアイコン化に抗う

「自分のほかにも世界があることを思い知ったか。これまでおまえは自分のことしか知らなかった!本来は無邪気な子供であったにせよ、しょせんは悪魔のような悪だったわけだ!――だからこそ知るがいい、わしは今、お前に死を命じる、溺れ死ね!」 カフカ作『判…

ブログ・メルマガ・浅田彰

遅咲きの桜は早く散るものだそうで、近所の花はもう散り始めている樹さえある。 この土曜日に身内の花見があるので、それまではもってもらいたいものだが、日曜日は関西は雨の予報だから、桜花賞の馬券と一緒に花吹雪になってしまいそうだ。 このところ、い…

『パッチギ!』  

評判の高かった映画『パッチギ!』をやっと見た。 友だちや知人や、何人もの人から進められていたのだが、見る機会がなかった。まだ上映の続いていることを先日、ある人から教えてもらい、やっと足を運んだのだ。 本でもそうだが、ぼくは他人が誉めているも…

「労働組合のマーケティング」について

R30さんが、ぼくの書いたものに何度も詳しく言及してくださるので、いよいよいい加減なことが書けなくなってきた。 http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/04/laborunion.html#more これは大事な点だと思うからはっきり書いておくが、言及されることによっ…

ちょっと反省しました

先日のエントリーに関連し、過分のトラックバックをいただいているわけだが、そのなかに自分でも気になっていた点を指摘されたものがあったので、触れておきたい。 こちらの記事である。http://d.hatena.ne.jp/Ohgyoku/20050404『あの発言は「簡単」に言って…

中村光夫

暇なのでプチ・エントリー。中村光夫の文章が読みたいのだが、文庫で出ていないようだ。 最近、講談社文芸文庫から三島との対談が出たが、それよりも書いたものを読んでみたい。 昔、『風俗小説論』というのが文庫で出ていて、まだネットでも買えるようだが…

死の文化その3 魯迅

おとといのエントリーの続き。鵜飼哲さんの書いていた「死の文化」ということから、ぼく自身のなかの、武士の文化や土俗的な死生観の存在の可能性を考えてきた。そうしたものが、現在の社会に見られる、自分や他人の生命に対する冷淡な態度のひとつの根にな…

お礼の弁

番組『日本の、これから』についての記事にTBを寄せていただいた方々、また記事をお読みいただいたみなさん、ありがとうございました。 トラックバックは、みなさん気持ちのこもった意見ばかりで、ありがたかったです。色々と考えさせられました。 特に、R30…

今頃なんだが

先週行われた高松宮記念のアドマイヤマックスは、本当に強かった。 あんな勝ち方をされると、唖然として見ほれることしかできない。やっと花が咲いてよかった。 カルストンライトオは、左回りがやっぱり駄目なんだなあ。 プレシャスカフェは残念な結果だった…