2019-01-01から1年間の記事一覧

『先史学者プラトン』

先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学 作者:メアリー・セットガスト 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2018/04/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) とにかく面白い本だ。 内容も驚きの連続だし、原著が素晴らしいのだろうが、訳文も、…

南京証言集会にて

12月7日(土曜日)、大阪天満のPLP会館であった南京証言集会に行った。 特に印象深かったのは、今年92歳になる幸存者の男性のお話(南京で収録された映像)で、この人は日本軍による虐殺で3人の肉親を失った方だが、最後にこう言われていた。正確では…

国場幸太郎『沖縄の歩み』

国場幸太郎の伝説の名著ともいわれる『沖縄の歩み』が、今年6月、岩波現代文庫から修正を加えて再版された。この本は、施政権返還から間もない1973年に、牧書店というところから、青少年向けのものとして出版されたそうだが、平易な文章でありながら重…

『ジハードと死』

本書で著者は、宗教の過激化(原理主義)と、過激性の宗教(イスラーム)化とを区別している。 前者は、移民やグローバリゼーション、それに世俗化(ライシテ)といった原因によって引き起こされている「宗教の脱文化」(宗教が文化から切り離されること)と…

大道寺将司句集『残の月』

『残(のこん)の月』は、大道寺将司の2012年から15年までの作を収めた句集である。 死刑囚であったことに加え、晩年の2010年以降はガンとの闘病も重なっていたからだろうが、自分の生命(それは国家ではない、別の何ものかによって生かされていた…

『うどん屋にて』 昨日、中之島であった抗議集会とデモに行く途中、入ったうどん屋でたまたま中継を流してたので、新天皇が即位にあたっての所信表明みたいなのをする場面を見た。 各局が昼間は特別番組を組むのかと思ってたが、NHK以外は通常営業のワイドシ…

『東アジア反日武装戦線』を見て

先週末、京都市内で『東アジア反日武装戦線』という韓国のドキュメンタリー映画の上映会があり、参加した。 1970年代に日本で起きた有名な一連の事件と、関係者のその後を題材としたものである。監督のキム・ミレさんは、韓国で労働問題を題材に映画を撮…

『日本の政治』を見て

いま、神戸映画資料館というところで、戦後の労働組合の映画の特集上映をやっていて、昨日の土曜日はその第一回目ということで、見に行った。 僕が見たのは、1949年に国労が作った『号笛なりやまず』から、1960年の三池闘争の映画までの何本か。 感…