2021-01-01から1年間の記事一覧

『アメリカ批判理論』

この本はとにかく面白かった。 アメリカ批判理論 作者:マーティン・ジェイ,日暮 雅夫,チャールズ・プリュシック,ナンシー・フレイザー,ウェンディ・ブラウン,ピーター・E・ゴードン,マックス・ペンスキー,ロバート・カウフマン 晃洋書房 Amazon ざくっと内容…

『病むことについて』

病むことについて 新装版 作者:ヴァージニア・ウルフ みすず書房 Amazon 1925年に書かれた「『源氏物語』を読んで」という文章の中で、ヴァージニア・ウルフはこう書いている。 『紫式部はたしかに、芸術家にとって、特に女性の芸術家にとって、この上も…

『増補 闘うレヴィ=ストロース』

増補 闘うレヴィ=ストロース (平凡社ライブラリー0886) 作者:渡辺 公三 平凡社 Amazon 本書によると、若い頃、社会党系の青年団体の熱心な理論家・活動家だったレヴィ=ストロースは、社会主義的な制度変革と同時に、あるいはそれ以上に、社会に倫理性をもた…

『資本主義と奴隷制』

資本主義と奴隷制 (ちくま学芸文庫) 作者:エリック・ウイリアムズ 筑摩書房 Amazon エリック・ウィリアムズの『資本主義と奴隷制』。 まず、書かれたのは第二次大戦中。著者は、トリニダード出身の黒人の学者だが、運動家・政治家としても著名な人で、後に同…

『増補 エル・チチョンの怒り』

図書館が休館中ということもあって、かなり久しぶりに本屋で新刊の本を買った。 岩波現代文庫の『増補 エル・チチョンの怒り』(清水透著)だ。 増補 エル・チチョンの怒り: メキシコ近代とインディオの村 (岩波現代文庫) 作者:透, 清水 岩波書店 Amazon こ…

『飼いならす』

飼いならす――世界を変えた10種の動植物 作者:アリス ロバーツ 発売日: 2020/10/16 メディア: 単行本 この本をはじめて知ったのは、たしかジェームズ・C・スコットの『反穀物の人類史』を読んでいてだったと思うが、邦訳されて去年は新聞紙上で多くの人が高い…

ホブズボーム『いかに世界を変革するか』

いかに世界を変革するか――マルクスとマルクス主義の200年 作者:エリック・ホブズボーム 発売日: 2017/10/31 メディア: 単行本 本書に書かれているホブズボームの考え方の大きな特徴は、マルクスの思想の発生とその後(現代まで)の動向を、特に19世紀で(…