最近の日本映画

紹介し忘れていたが、ぼくの若い友人である小埜田君が、先日の『パッチギ』の感想へのトラックバックとして、自分のブログに書いた感想を送ってくれた。力のこもったいい文章なので、ご一読ください。

http://blog.livedoor.jp/masatix/archives/13625431.html

それと、この映画について書かれた文章としては、こちらのなかに載っている竹山徹朗さんのものが素晴らしい内容だと思う。あわせてお読みください。


ただ、たしかに『パッチギ』はまれに見るいい映画だと思うし、いまこれを撮った井筒監督の気概は賞賛されるべきだが、ぼくの好みとしては、日本映画では去年公開された是枝裕和監督の『誰も知らない』の方が好きだ。もちろん、すごいハイレベルな比較だが。


よく、日本映画は韓国映画に比べてはるかに遅れをとったというような言い方がされるが、そういう国単位の比較の仕方がどうかは別にして、是枝裕和黒沢清青山真治と並べてみると(北野武も含めて)、日本の若手(?)の映画作家の力量は、決して韓国映画界に劣っていないことが分かる。
ただ、それでも、上記のような国別で縦割りにする見方が説得力を持ってしまうのは、やはり映画というのは大きな資本が動く表現ジャンルだから、個々の監督やスタッフ、俳優などの力量だけでなく、国全体がどういうバックアップの体制をとっているかが、作品によっては物をいうからであろう。
第一線の映画監督が大臣に抜擢される国と、1950年代などとは違って、映画が国にとっての重要な産業・メディアではなくなってしまった日本とでは、やはり大枠の何か、スクリーンからにじみ出るムードのようなものが違う、とはいえると思う。
もっとも、ぼくはそのくすんだムードも、それはそれでいいと思うのだが。


それにしても、永田雅一が球界再編を目論んでいた頃の日本映画界は、勢いがあったのだ。