2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吉川幸次郎『杜甫私記』

この本は1980年に出たものだが、内容は、1950年著者の吉川幸次郎が40歳の時に刊行された「杜甫私記」と、その約15年後に発表された続編「続 杜甫私記」とを併せたもの。 以下の引用は、いずれも「杜甫私記」の方からとっている。 杜甫という人は…

ジェイムソン『21世紀に、資本論をいかに読むべきか?』

前回に書いた「オリガーキー」という言葉だが、ググってみたら寡頭制のことだと書いてあった。少数の人間が支配する政体のことで、多数支配を対義語とする、とあった。まあ、今の日本の実態にほぼあてはまりそうである(今だけか?)。 さて、この本も図書館…

シュトレーク『資本主義はどう終わるのか』

新型コロナで緊急事態宣言が出された時、図書館が閉館に入るというので、急遽近傍の図書館に行って何冊か借りたうちの一冊。そろそろ返すことになりそうなので、その前にここにメモをとっておこう。 この本は、2008年のリーマンショックをうけて書かれた…

ガタリ『三つのエコロジー』

この本の表題になっている論考は、1989年に発表されたものだそうだ。 当時の世界的な関心事として、ここでは特に三つの出来事が例に挙げられている。それは、チェルノブイリとエイズ、それにドナルド・トランプによるNYとアトランティックシティの貧困層…