「労働組合のマーケティング」について

R30さんが、ぼくの書いたものに何度も詳しく言及してくださるので、いよいよいい加減なことが書けなくなってきた。


http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/04/laborunion.html#more


これは大事な点だと思うからはっきり書いておくが、言及されることによってこのブログを見てくれる人の数が増えるからどうこうではなく、R30さんという人の書くエントリーを、ぼくは本当に感心して読んでいたのだ。その人に自分の書いたものを認めてもらったこと、そして色々読んでもらい、彼でなければできない具体的な提言へとつなげていってもらっているということが、ぼくには嬉しい。
ただ、言うまでもなく、ぼくはぼく、彼は彼である。またもとより、あれだけの能力のある人に、ぼくなどの助力できることが、いまの段階であるはずもない。
自分の思うところを率直にここに書いていく以外、熱意に報いる道はあるまいと思うのだ。


今回のR30さんのエントリーに関して、一言だけ。

つくづく思うのは、問題の本質は派遣や契約という地位が労働者としての安定を保証されないとか、そういうことじゃないってことだ。安定してないっていうなら、正社員だって絶対潰れない会社がなくなった(銀行だって潰れる)以上、もう永久の安定なんかあり得ない。問題は、日本企業がいつの間にか人を人とも思わない非道な経営(それは経営ですらない)を、当たり前のようにやるようになったってことなのだ。であるなら、労働組合の闘争も、そこに向かうべきなのだ。

この部分、まったく同感である。
ぼくは、自分が「フリーター」とか、いわゆる「ニート」に属する人間なので、どうしてもそういう目線の話になるが、社会全体としては、正社員の労働条件が非常に劣悪化している点が、本当に深刻な問題ではないかと思う。なんといっても、社会の大半はこの人たちなのだから。この人たちが、「目先のこと」しか考えられないような過酷な労働条件に置かれているということが重要な問題であって、その改善のためには「労働組合」が、従来とは異なる機能を持って、存在し続けること以外、具体的な歯止めの方策がない、というのが日本の実情ではないかと思う。
『労働者の地位や労働条件を改善するにはどうすればいいか』という原点に立ち戻る努力が、いま労働組合には求められているのだと思う。