2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「ジャン・ジュネ――裏切りとしての愛」

誰よりも深く踏み込むのだけれど、距離がある。 (鵜飼哲) 20世紀文化の臨界作者: 浅田彰出版社/メーカー: 青土社発売日: 2000/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (11件) を見るきのうジュネの作品について書いたので、この作…

ジュネ『葬儀』

意外と早く読み終わった。 ごく簡単に紹介と感想を書いておきたい。 訳者後記によれば、この小説の原著は、1947年にフランスで非合法出版の形で世に出た。ジュネの長編小説しては第三作にあたる。その後1953年に、ガリマール書店から「ジュネ全集」…

ジャパンカップ回顧

いやー、男前やなあ、デットーリ。 さっきレースの中継が終わったところで、何から書いていいのかわからんけど、やっぱりゼンノロブロイだろう。 驚異的なレコードの決着になったとはいえ、またもゴール前であっさり止まってしまい、三着の確保さえ危ういと…

ジャパンカップ予想

視たものだけを視たということのほかに、どうしてわれわれは真に「知識」をもつことができようか。 柄谷行人 なんとも心もとないが、⑧ゼンノロブロイを本命に推す。 宝塚記念三着、天皇賞二着という日本での近二走の結果は、どう理由づけを聞かされても、と…

会田綱雄「野州塩ノ湯」

以前、会田綱雄の「伝説」という有名な詩をここで紹介したと思うんだけど、同じ詩人のこの「野州塩ノ湯」という題の詩も、昔から気になっているものだ。 そんなに長くないので、今回も全文書き写してみる。 くらやみのなかで ユン おきろ とわたしはいったが…

ジュネ『葬儀』を読みながら

まえにもちょっと触れた、孤独への願望は、「自負心」に他ならない。フランスとの、さらにお互い同士の関係において、そして最後は死に臨んで、対独協力義勇兵につきまとう見事なまでの孤独について、ひとこと触れておきたい。淫売婦よりも、泥棒よりも、汚…

マイルCS回顧

デュランダルは、気が向かなかったのか、思ったほど末脚を繰り出せず残念な結果に終わった。直線に入ったとき、池添が最初から鞭を入れていたので、「今日は駄目かな」と直感した。敗因はよく分からんだろうが、気落ちせず次は頑張ってほしいものだ。 大本命…

マイルCS予想

このレースはあんまり自信ないです。 ⑭デュランダルは、確勝とまでは言い切れないが、馬連の軸としてはやはりこれだろう。 問題はその相手で、人気になっている数頭がいずれも決め手にかける。 そのなかで一頭選べば、⑧ダンスインザムード。夏場を使い込んで…

『親切なクムジャさん』

http://www.kumuja-san.jp/ この映画は、心臓の弱い人や、とくに小さな子どもさんのいる方は見に行かない方がいいです。 世界的にも評価の高いパク・チャヌク監督の大ヒット作だが、出来はよくない。秀作『JSA』はもとより、同監督の「復讐三部作」の前作…

『Dinah Jams』

Dinah Jamsアーティスト: Dinah Washington出版社/メーカー: Polygram Records発売日: 1990/06/01メディア: CD購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る「ブルースの女王」と呼ばれた名歌手ダイナ・ワシントンをフューチャーして、当時アメ…

『センセイの鞄』その3 謎・孤独

センセイの鞄 (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/09/03メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 56回この商品を含むブログ (353件) を見るツキコにとって、センセイの存在は「遠さ」として、言い換えれば安定した距離の不在としてと…

『センセイの鞄』その2 距離

センセイの鞄 (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/09/03メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 56回この商品を含むブログ (353件) を見るきのう、この作品のことを長編小説と書いたが、実際には中篇ぐらいの分量だ。これを「長編」…

エリザベス女王杯回顧

遅くなったが、エリザベス女王杯について少し感想を書いておこう。 スイープトウショウもあれだけ頑張ったわけだし。 書いたように馬券を買わずに予想だけしてるので、あのゴール前を見てるときの心境は複雑だったが(買ってれば何万かにはなってたからね)。

『センセイの鞄』その1 攻撃性

センセイの鞄 (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/09/03メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 56回この商品を含むブログ (353件) を見るこの作品は世に出た当初、そうとう話題になったと思うが、今回はじめて読んだ。 三十代後半…

エリザベス女王杯予想

彼は多くの事を漠然と望まぬ。少しの事を確実に望む。 小林秀雄「マキアヴェリについて」 勝つのは、⑧スイープトウショウで間違いないだろう。 休み明けの毎日王冠六着、天皇賞五着の内容は、この馬自身としては決して悪くない。 休養前の安田記念二着、宝塚…

ゴダール『アワーミュージック』

http://www.godard.jp/ ジャン・リュック・ゴダール監督の新作。 いつものとおり、音楽の流し方と切断の仕方が素晴らしい。 そして、近年の彼の作品にはあまりなかった、社会の現実や政治的状況に対する明瞭な言及に接することができる。 はっきりは語られて…

宮沢賢治『フランドン農学校の豚』

宮沢賢治全集〈7〉銀河鉄道の夜・風の又三郎・セロ弾きのゴーシュほか (ちくま文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1985/12/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 27回この商品を含むブログ (28件) を見るなんだか妙な具合になってきたとは…

宮沢賢治『毒もみのすきな署長さん』

宮沢賢治全集〈6〉 (ちくま文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/05/01メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見る 宮沢賢治の童話のなかでも、この作品は語られることが少ない。 ちょっと変わった話である。 西…

ファンタジーステークス回顧

ファンタジーステークスのアルーリングボイスは、本当に強かった。これまでとまったく違うレース振りを見せた馬自身にもだが、武豊の大胆な騎乗に何より驚かされた。

『意味という病』

意味という病 (講談社文芸文庫)作者: 柄谷行人,すが秀実出版社/メーカー: 講談社発売日: 1989/10/04メディア: ペーパーバック購入: 5人 クリック: 39回この商品を含むブログ (28件) を見る 「きれいはきたない、きたないはきれい」と、『マクベス』の魔女は…

ファンタジーステークス予想

日曜の京都競馬のメイン、ファンタジーステークスの予想。 出る馬のほとんどのレースを見たことがないが、ここは一頭買ってみたい馬がいる。 それは、6番のセントルイスガールだ。 このレースは、色んな路線から来た馬が集まっていて、当たる当たらないとい…

天皇賞回顧

今ごろなんだが、天皇賞の感想など。 といっても、夜、競馬ダイジェストで見ただけなんだけど。 有馬記念でのディープインパクトとの対決が楽しみなので、ゼンノロブロイには是非勝ってほしかったのだが、仕方あるまい。これで有馬での単勝オッズが高くなる…

ワンコリアフェスティバル

こないだの日曜は、大阪城公園で、たしかもう10年ぐらい続いているワンコリアフェスティバルという在日コリアンの人たちのお祭りのようなものがあり、そこに行って友だちの仕事を手伝ったりしながら一日中居た。 ぼくは、何度かこの催しに行ってるのだが、…