2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「暴力批判論」について

先日のエントリーに、紹介した本のなかで「神的暴力」という言葉が話題になっているのを書きましたが、ベンヤミンの「暴力批判論」における「神的暴力」と「神話的暴力」との対置について、わかりやすく書かれたサイトがあったので、紹介しておきます。 http…

『公共性』

世界から身を退くことは個人には害になるとは限りません. ・・・・・しかし一人撤退するごとに, 世界にとっては, ほとんどこれだと証明できるほどの損失が生じます. 失われるものとは, この個人とその同輩者たちとの間に形成されえたはずの, 特定の, 通常は…

テントと居住権

去る1月27日に大阪地裁が、公園で暮らしている野宿者の人のテントを住所として認めるという判決を下しましたが、先日あるところで、この野宿者の方ご本人のお話を聞く機会がありました。

うつぼ公園関連自己リンク集

ジャンル分けがおかしい気がするが・・。 1月30日の行政代執行に関するエントリーの自己リンク集を作ろうとしたけど、自分の雑感みたいなのを省いて、当日のことに関する自分や他の人の手記的なものだけを集めたら、この四つだけになった。

雨宮処凛さんインタビュー

『マガジン9条』というサイトに載った雨宮処凛さんという方のインタビューが、すごくよかったので、紹介しておきます。 雨宮さんは現在作家ですが、20台の前半に「愛国パンクバンド」というのをするかたわら、右翼団体で活動しておられたとのこと。 その…

『変成する思考』

変成する思考 グローバル・ファシズムに抗して (思考のフロンティア)作者: 市野川容孝,小森陽一,守中高明,米谷匡史出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/08/25メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る市野川容…

再び滋賀の事件をめぐって・個別と構造

おととい書いた滋賀での園児殺害事件の報道に関することですが、竹山徹朗さんが、引き続きこの問題をフォローしておられます。 コメント欄を見ると、ひどいコメントがだいぶ入っているようですが、それだけ影響力があると認められているということで、うらや…

行政代執行の映像

『旗旗』の草加耕助さんが、去る1月30日に行われた大阪市の行政代執行当日の体験手記と、ビデオ映像をアップされました。 手記は、非常に詳細なものです。 今回の行政代執行を、草加さんご自身の過去の体験(三里塚での闘争など)と比較されながら、書いて…

『ジェンダー/セクシュアリティ』・誘惑者と共同体

ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア)作者: 田崎英明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/09/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (28件) を見るなんとも読みづらいが、おそろしく刺激的な本である。 著者自身…

滋賀の事件・容疑者の名前の報道をめぐって

PUBLICITYの竹山徹朗さんが、滋賀で起きた園児殺害事件の報道ぶりに対する違和感を、メルマガとブログに書いておられる。 ぼくは、ほとんど新聞やテレビニュースを見ない人なのでよく知らなかったが、こういう報道になってるのか。 容疑者の氏名の…

備忘録・破壊される生活・持続する怒り

他の方のブログから、ここ二、三日で印象的だった記事をいくつか。 ①「旗旗」さんの記事。http://hatahata.mods.jp/modules/wordpress/index.php?p=283 テントを持っていない野宿者は、「シェルター」や「自立支援センター」には、入れない。 結局、これらの…

アンティゴネ・「喪」と「家」

アンティゴネ ええ、もちろん。あのお触れを出したのは固よりゼウスの神ではございません、また、あの世の神々とともにいらっしゃる正義の女神ディケが、それを一つの掟として人の世に行き渡らせようなどとお考えになったものでもございません、それに私は夢…

空間・マゾヒズム・条件刺激・馬・署名

まとめて五つばかり書く。 ①空間の意味の機能主義化 まず、早大でのビラまき逮捕事件に関するエントリーに、sumita-mさんからTBをいただいた。 「空間の意味の機能主義化」という概念は、分かりやすい。空間のありようが、機能性という物差しでしか計られな…

『快楽の脳科学』

快楽の脳科学~「いい気持ち」はどこから生まれるか (NHKブックス)作者: 廣中直行出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2003/08/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (11件) を見る本書の序章などによると、近年まで…

セクハラ・性行為の五つの意味

すでに多くの方がご存知のサイトだと思うのだが、どうしても紹介しておきたいので、一部を引用しながら感想を書くことにした。 『Fuckin' backlash』 このサイトの存在も、前回の記事と同じく『成城トランスカレッジ!』さんを通じて知った。 セクシャル・ハ…

早大ビラまき逮捕事件にふれて

早稲田大学で起きた、ビラをまいていた学生が逮捕されたという事件のことは、ずっと気にはなっていたが、どう書くべきかが分からなかった。 先日、『成城トランスカレッジ!』に、同サイトの運営者であるchikiさんが、この事件についてのシンポジウムを傍聴…

どうでしたか、初めての人生は?

人生が一回しかない、という言い方は、厳密に考えればへんな表現なのかもしれないが、実感としてはそうとしか言いようがない。 70歳になっても80歳になっても、また生まれたばかりの赤ん坊であっても、その人にとっては、それは「初めての人生」だ。 二…

抵抗ということ

このところ、あらためて思っているのは、「抵抗する」ということの大切さだ。 大阪市による行政代執行が行われた日、何度も書いてきたように、ぼくはうつぼ公園でテントを守る行動には加わらなかったし、特に抵抗や抗議のようなことはしなかった。 これは「…

『ある子供』

ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟による監督作品。 この映画の公式サイトを見ると、監督自身の発言として、あるいは有名人のコメントを集めたなかに、『人は変わることができる』『そのことに感動した』、みたいな言葉が並んでいる。 たしかに、映…

声・転載

p-navi infoさんで、先日強制排除が行われた大阪市の靫(うつぼ)公園に住んでいた野宿者の方たちが書いた文章が転載されていましたので、紹介しておきます。 読んだときは、こういう声がこれまであまり聞けなかった、と思ったんだけど、自分が聞こうとしな…

表現への意志

ひとびとは絶えずちいさく離れてゆく うしろから 声のないひびきが深く水脈をひいて おれは聴く おれはわからない 奪われることが何かの始まり 始まりであることを (黒田喜夫 「希望の始まり」から) 大阪市がおこなった行政代執行から、ちょうど一週間がたと…

スタンドアップ

例によって、公開最終日に見に行った。 未見の方は、お住まいの地域でやはり上映が終わってたら、DVDなどで見てください。http://wwws.warnerbros.co.jp/standup/ 原題は『ノース カントリー』。 80年代末のアメリカ合衆国の鉱山を舞台に、職場での壮絶な…

大阪市行政代執行に関するサイトと記事の紹介

うつぼ公園と大阪城公園で先日行われた強制撤去の件について、また書きます。 後でも出てきますが、この件は終わったということではなく、他の公園に場所を移して大阪市内で同様の措置が行われていく可能性があるということと、仙台でもやはり今回のような行…

共感の回路

昨日、1月30日に行われた靭(うつぼ)公園での行政代執行に関することを書いた。 あの日の抵抗については、自分がほとんど参加しなかったということもあり、客観的なコメントはしづらい。 それを目にするなかで自分が実感した一番大きな事柄が、「共感」…

うつぼ公園・30日

1月30日に行われた大阪市による野宿者のテントの強制撤去ですが、29日の夕方から30日にかけて現場のひとつである靭(うつぼ)公園に居て、状況を見てきました。 どういう事態が起きるのか、自分の目で確かめて、こうした場で報告することが自分のする…