映画

『ウリハッキョ』上映会in京都・滋賀

以前から何度か紹介してきた、北海道の朝鮮学校を題材にした韓国のドキュメンタリー映画『ウリハッキョ』。 http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20070512/p1 自主上映・日本公式ブログ 11月から12月にかけて、関西(京都・滋賀)の各大学でも、日本人と在日朝鮮…

『SiCKO』

テアトル梅田で、話題の映画『SiCKO』をやっと見た。 すでに広く知られているように、国民皆保険制度がなく民間の保険会社に頼るしかないアメリカの医療のひどい状況を告発した作品である。 同時に、国民皆保険制度をもつイギリス、フランス、カナダ、そして…

続・ザンパノ考

きのうの記事への補足。 http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20070825/p2

ザンパノ

こないだ、庄野潤三の小説を読んでたら、登場人物たちがフェリーニの『道』の二人の主人公の姿を仮装する場面があった。それで、アンソニー・クイーンの演じたあの男の名が「ザンパノ」だったことを思い出した。 ザンパノというのは、自分の妻のジェルソミー…

『フランドル』

ちょうど見られる時間帯の映画だったので、いそいそと梅田まで見に行く。 映画館に着いてから、「男性デー」で入場料が千円ということと、カンヌ映画祭のグランプリ(でいいのかな?)受賞作であることとを知った。 壮絶な映画という印象だが、十分理解してい…

『ウリハッキョ』関連情報

以前も紹介した、映画『ウリハッキョ』の上映が、9日の土曜日に大阪の生野区で予定されてるようなので、以下に載せておきます。 韓国での上映の様子については、ブックマークしたこちらの記事を。 また、日本各地での上映の予定や様子については、こちらの…

『西鶴一代女』

パリーグの試合は、開幕してからひどいときには観客数が一万人を切る試合もあるようだが、そんななか楽天と日本ハムの試合は、なんと平日のデーゲーム。 そんなので客が入るのかと思ってたが、考えると、ドームではない仙台の球場で、この時期のナイターでは…

ホシノ・リナ監督来京と作品上映に関連して

はじめに、近日のエントリー、3月5日の『それでもボクはやってない』と、3月12日の『「反ファシズム戦争」の論理を越えて』に、それぞれ以下のトラックバックを寄せていただきました。http://d.hatena.ne.jp/Yuny/20070314http://d.hatena.ne.jp/Apeman…

『松ヶ根乱射事件』

『リンダリンダリンダ』の山下敦弘監督の新作ということで期待して見たが、やっぱりすごく不思議な味わいと魅力のある作品だった。 「面白い映画か?」と訊かれると、微妙なんだけど。 http://www.matsugane.jp/

『それでもボクはやってない』

周防正行監督の11年ぶりの新作は、痴漢行為の冤罪裁判を扱ったものだが、まさに「世界レベル」というしかない大変な傑作に仕上がっている。 ここ数年の、犯罪や裁判を扱った世界中の映画のなかでも、その完成度においてトップクラスに入る出来だろう。

大晦日特別企画・今年出会った本と映画から

大晦日にちなみ、今年見た映画を簡単に振り返る。 他のことは、あんまり振り返る気にならんなあ・・。

『硫黄島からの手紙』

どうなんだろうな。 ぼくの周りには、『父親たちの星条旗』よりも、こちらの方により深く感動した、という人も結構居る。 でもぼくは、「星条旗」ほどのインパクトを、この作品に感じなかった。そして、そのことをどう受け止めたらいいのか、戸惑っている。

『麦の穂をゆらす風』

冒頭の場面で、アイルランドの村の若者が、イギリスの武装警察隊の尋問に対して英語を使わず、禁じられていたアイルランド独自の言葉であるゲール語を使ったことがもとで惨殺される。 この若者の死を悼んで、村の老婆たちが歌うのが、イギリスへのレジスタン…

『父親たちの星条旗』

クリント・イーストウッド監督の映画を見ていて、しばしば受ける印象は、生粋の愛国者であり、伝統的・保守的な価値観の持ち主であるこの映画作家が、自分の愛する国と社会の姿を深い愛情をこめて、しかし徹底的に描き出していくことによって、その矛盾と苦…

『トンマッコルへようこそ』

朝鮮戦争の最中に南北双方の兵士たちとアメリカ兵が戦場から外れた山村で出会い、はじめは対立しながらも、やがて村人たちと牧歌的な生活を送るようになるという話。 設定から想像されるとおりの童話のようなファンタジーで、じっさいはじめの数十分は話に空…

『ディア・ピョンヤン』

ぼくが見に行った日は、監督の梁英姫さんが劇場に来られて、挨拶と観客との質疑応答、サイン会を行っておられた。 在日朝鮮人の若い女性である監督の視点から、民族運動の活動家として生きてきた父親の姿をとらえたドキュメンタリー。 娘が回すカメラの前で…

超ローカルな上映情報

小さな映画館だが、この三本の取り合わせは、ポイントが高い。 大阪にある千里中央というところの映画館で、『白バラの祈り』と、『ナイロビの蜂』と、『マイ・アーキテクト/ルイス・カーンを探して』を同時期にやるそうだ。 「白バラ」は、ナチス時代の話で…

続・『蟻の兵隊』

先日、映画『蟻の兵隊』について記事を書いたが、その後他の方が書かれたこの映画の感想を読む機会があったが、素晴らしい内容だった。 自分の感じたことと、読む人に知ってもらいたい情報が伝わるように、考え抜かれた文章だと思う。 この文章を読んで、ぼ…

『蟻の兵隊』

いわゆる「日本軍山西省残留問題」を題材にしたドキュメンタリー映画。 これは、日本軍将兵約2600人が、第二次大戦終了後も中国に残留し、国民党系軍閥に合流して共産党軍と戦ったという事実をめぐるもので、国への補償をもとめて生き残った兵士の人たち…

最近見た映画二本

これから書く二本の映画は、大阪ではもう上映が終わってます。 関心のある人は、DVDなどでみてください。 追記:ごめんなさい。『恋するトマト』は、まだ上映中でした。大阪十三の「第七芸術劇場」で、まだしばらく上映してるようです。

『ゆれる』

この映画は、今年の日本映画のベスト1になるのではないかと思うが、ストーリーの面でちょっと得心できない部分が残った。 地味な題材に見えるが、非常にアクチュアルな問題を意識して作られたことはたしかだ。 重すぎず、軽すぎず、ちょうどいい感じの作風…

『アルナの子どもたち』&岡真理さんのお話

この映画は、あまりにも多くのこと、重い事実が描かれているため、一度見ただけではちゃんとした感想をまとめることが不可能なように思った。 上映のあと、岡真理さんがスクリーンの前に立って話をされ、自分はこの作品を何度も見ているが、見るたびに感じる…

『花よりもなほ』

松竹の映画のはじめに出てくる、ウサギの人形劇みたいなのの意味がよくわからん。 あれは何をやりたいんだろう。 この映画は梅田ピカデリーで見たけど、お客さんはそれほど入ってなかった。客層としては年配の人が多いのが意外だった。時代劇だからだろうか?

関西での上映情報二件(追記あり)

関西地区で、『ガーダ −パレスチナの詩−』と『Marines Go Home』の上映がおこなわれます。それぞれ会場に監督が来られて、トークや質疑応答がおこなわれるそうです。 以下、ML、掲示板から情報を転載します。

『嫌われ松子の一生』

終わり近くに、川原から土手の上を旋回して川面を低空飛行で撮影していくような、不思議で雄大な映像が登場する。これは、どうやって撮ったのか、ほんとに分からない。 そのみごとな映像を見ながら思ったことは、よく夢の中で、これと同じ光景を見るというこ…

『犬猫』

この作品はDVDで見ました。 藤田陽子が同棲していた西島秀俊に愛想をつかして飛び出していくところから話が始まるのだが、こうした場面は日本の私小説とかには何度も描かれてきたと思う。それと何が違うのかというと、私小説は出ていかれる男の側を書いてあ…

『マイ・アーキテクト  ルイス・カーンを探して』

何があったのか、ナナゲイは座席が新調されていて驚いた。 この映画は、人にすすめられてみたのだが、たしかに色んなことを考えさせられる作品だった。多くの人に見てほしい映画である。 ルイス・カーンという人は(ドイツのゴールキーパーではなくて)、たい…

『マイ・アーキテクト』付け足し

下のエントリーをアップしてから思い出したこと。

ヒミコ・田中泯・デリダ

前に書いたように、『メゾン・ド・ヒミコ』(犬童一心監督・渡辺あや脚本)について少しかんがえる必要が生じたので、DVDで作品を見直すとともに、キネマ旬報社から出ている同書のオフィシャル・ブックを入手して、出演者のインタビューを読んだりしている。 …

『ヨコハマ・メリー』

ぼくは映画を見て涙を流すということは、まずない。子どもの頃か、遠い昔にあったような気もするが、思い出さない。だが、この映画では泣いてしまった。あの最後の場面は、いくらなんでも反則だ。 映画が始まってまもなく、シャンソン歌手の永登元次郎が歌い…