2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ナイロビの蜂』

大きな映画館には滅多に行かないので、指定席制というのに馴染みがない。自分のチケットを見たら「R-15」と書いてあったので、「15歳以下は見ちゃいけません」という意味かと思ったら、自分の座席の番号だった。 そんな大きな劇場で、しかも平日の昼間に…

『ガーダ パレスチナの詩』

このドキュメンタリー映画を見ていちばん強く思ったことは、人間にとって文化や共同体や歴史や故郷や大地といったものが何を意味するのか、「奪われた側」の人間にしか、ほんとうは分からないのだということだ。 (以下、ネタバレです。大阪では、もうすぐ公…

『愛と暴力の現代思想』

愛と暴力の現代思想作者: 矢部史郎,山の手緑出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/04/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (31件) を見る ピエール・クラストルは南米の未開社会の研究で、ある村の話をしているんですが、ある村…

「性」について、若干かんがえてみた

『p-navi info』さんの記事、『「メゾン・ド・ヒミコ」を見て ─国際反ホモフォビアの日について』のなかで、以前に映画の感想を書いたぼくのエントリーを紹介していただいた。 そこでこの機会に、この映画のことを含めて、ぼく自身の「性」に関する体験や考…

怨恨とポストモダンとサヨナラスリーラン

土曜日は久しぶりに、友人とプロ野球を見に行った。 甲子園の阪神とオリックスの試合。甲子園でプロ野球を見るのは、10数年ぶりかもしれん。誘ってくれた友人が阪神ファンということで、ぼくも阪神を応援する。じつは普段、大阪ドームで試合を見るときはバ…

恐怖と秘密

ドゥボールが言うには、六八年以来、社会はもはや愛されようとすることをやめた。そうした夢はもはや捨てられねばならない。それは恐怖されることを好むようになるのだ。(酒井隆史著『自由論』第5章「恐怖と秘密の政治学」より) 酒井によれば、ドゥボールが…

怨恨の政治学

きのうのエントリーへの補足。 きのう書いたこととは逆の考え方になると思うが。 怒りと憎しみとが完全に分離できないことを前提として考えると、「憎しみ」(ルサンチマン)という、組織されてない非理性的な要素を、「怒り」の形成のために切捨てることは、…

怒りの純粋さ

先日の『Freezing Point』のエントリーから。 http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20060515#p1 怒りは、個人を政治化する重要な契機だと思う。 しかし一方、怒らずにいる権利もある。 「怒り」は、ぼくにとってもすごく大きなテーマだ。 最近読んだ、酒井隆史…

『Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別』

それと、上記の状況にも深く関係した題材を扱ったドキュメンタリー映画、『Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別』という作品が、4月15日から大阪・十三の「第七芸術劇場」というところで公開されます。 監督の藤本幸久さんを、以前からよく存じ上げて…

平澤(ピョンテク)へのメッセージ・再びお願い

以下の記事は、2006年4月10日に書きます。 (付記:5月4日、大規模な排除が本格的に始まった模様です。随時、動きをエントリーで紹介していきたいと思います。) 以前からブログのトップでお知らせしてきた韓国の平澤(ピョンテク)での、米軍基地の…

「頑張れ朝鮮学校!コンサート」in同志社

この記事は、ほんとに5月15日に書いてます。 14日日曜日、京都の同志社大学でおこなわれた「がんばれ!京都朝鮮第三初級学校−フレンドシップコンサート in 同志社」というイベントに行ってきた。 実は、この「京都朝鮮第三初級学校」という学校の卒業生…

抗議行動&デモin大阪

1月の大阪市による行政代執行の理由とされた世界バラ会議の開催に合わせ、うつぼ公園などで抗議行動や集会、デモがおこなわれるという情報が直前になって入ってきたので、急遽行ってみることにした。以下は、そのとき感じたことなど。

行政代執行二題

はじめに、明日、あさってと、また「うつぼ公園」の関連で動きがあるようです。 できるだけ現場に行って、何か報告できることがあれば報告します。あれ以来、うつぼには行ってなかったが。 平澤関連。 何度かこのブログで書いてきた平澤出身の歌手、鄭泰春さ…

平澤・とりあえずの感想

毎日平澤のことを書いているが、正直言うと、一番感じていることは、たしかにひどいことが起こったと思うのだが、恐怖や怒りのようなはっきりした感情が自分のなかに湧いてこないということである。 これは、原因がなんなのかは分からない。ともかく、おそら…

酒井隆史『自由論』をとりあえず読んだ

「真紀さんこれからずーっとそういう本読むとしてさ、あと三十年とか四十年くらい読むとしてさ――、本当にいまの調子で読んでったとしたら、けっこうすごい量を読むことになるんだろうけど、いくら読んでも感想文も何も残さずに真紀さんの頭の中だけに保存さ…

平澤・写真など

『反戦翻訳団』さんに、平澤の出来事についての英文記事の翻訳が載った。 元のサイトからは、たくさんの現場写真を見ることができる。http://saveptfarmers.org/blog/2006/05/photos_of_may_4th.htmlhttp://saveptfarmers.org/blog/2006/05/more_photos.html…

森達也『こころをさなき世界のために』

ファルージャで死んだイラク人の数と米兵の数とを、もう一度比較してみてください。これはもう戦争ですらない。これほどの不均等は戦争とは呼ばない。虐殺です。世界がこれほどに不感症になってしまった理由は、逆説のようだけど、メディアが発達したからで…

平澤関連・7日のクリップ

目についた記事を、いくつかクリップ。 今回の事件の評価や、そもそも米軍基地移転問題の報道姿勢をめぐっての、「守旧メディア」と呼ばれる大新聞と、いわゆる市民メディアとの論争も、やはり激しくなっているようだ。 オーマイニュースの記事。http://www.…

6日の平澤/軍と国民・政権の今後?

昨日ちょっと書いたけど、やはり4日の大きな衝突以後、今回の抵抗運動の中心になっている「汎国民対策委員会」という団体の方針が住民の意思をどれだけ反映してるのかということが、各マスコミの間で議論の焦点になってるようだ。 オーマイニュースのこの記…

平澤・昨日からの動き・軍隊投入

いまネット上で日本語で読める現地の情報、目に付いたところでは、こんな感じでしょうか。 韓国のマスメディア朝鮮日報の記事。米軍移転予定地に鉄条網設置開始 兵力1万4000人投入米軍基地移転予定地の強制撤去で負傷者続出 日本のマスメディア、毎日と読売…

平澤の伝えられ方

韓国の大手メディアのなかでは、やはりオーマイニュースが平澤のことを大きく伝えているようだ。 たとえば、この記事。http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=328838 5日夜に、抗議集会に参加していた住民や市民団体の人たちが警察…

平澤関連速報と記事訂正について

きのう、『近日の動きから』と題したエントリーで平澤のことについて、どれだけの逮捕者、負傷者が出るか、予測がつかないと書いたところですが、今日早くも大規模な排除がおこなわれて、たくさんの連行者やけが人が出た模様です。http://www.ne.jp/asahi/cy…

『Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別』感想

監督をはじめ、ある意味「身内」のような人がおおく関わってる映画なので、正直あんまりよくなかったらどうしよう、と心配だった。 いい仕上がりだったので、ホッとした。これなら人にすすめられる。

『Marines Go Home』補遺/現場と運動

この映画について、書くべきことを十分書けてなかった気がするので、具体的に印象に残ったところを一箇所だけあげて感想を書くことにする。 それは、辺野古を撮った部分のなかで、米軍基地の門の前に立って入っていく車をとめようとする抗議行動をしている地…

『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

この春、どうしてもこの映画だけは見ておきたかった。 大きな特徴は、最後の1、2分というところに来てはじめて、主人公と監督の「目線」のようなものが明らかになるということで、登場人物とともに観る者を唖然とさせるこのエンディングが素晴らしい。そこ…

『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』付記

さっきのエントリーを書いてから、あらためて考えたけど、ほんとに不思議な映画だった。たぶん、ぼくが汲みつくせなかったものが、いっぱいあると思うんだけど、そういうものを今すぐにまとめてしまいたくないと思わせる映画だった。なにか、くくられたり縛…

近日の動きから

(注 読者の方からご指摘をいただいて、一箇所語句を修正した部分があります。太字の部分です。くわしくは、4日のエントリーに書きます。) この2、3日で気になったことを、いくつかあげておきます。 ひとつは、きのうの記事にも書いた韓国の平澤のことで、…

講演『米軍再編の実像』

30日の日曜日、映画『Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別』に関連して、「米軍再編の実像―辺野古と平澤をつなぐと」と題した講演会が、大阪の十三というところであり、聞きに行ってきました。 講師は都裕史(ト・ユサ)さんという方で、「米軍基地反対…

平澤(ピョンテク)へのメッセージ

緊急のお知らせと呼びかけです。 韓国に平澤(ピョンテク)というところがあるのですが、この土地の農民たちが、今、駐韓米軍の再編に伴う基地の拡張・移転のため、土地を強制収用されて追い出されようとしていて、激しい抵抗が続いています。

平澤(ピョンテク)・補足

この記事は、2006年3月17日に書いています。 下のピョンテク関連の記事に補足です。