『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』付記

さっきのエントリーを書いてから、あらためて考えたけど、ほんとに不思議な映画だった。たぶん、ぼくが汲みつくせなかったものが、いっぱいあると思うんだけど、そういうものを今すぐにまとめてしまいたくないと思わせる映画だった。なにか、くくられたり縛られたりすることを拒んでいる感じがある。


ただ、ぼくが関心があることのひとつは、この映画のテーマが、「謝罪による魂の救い」みたいなことにあるということ。そして、そのことに「埋葬」ということ、一度埋められた遺体を掘り出して、もう一度弔って故郷の地に埋めなおすという行為が、深く関わっているということだった。その過程で、死者(遺体)に生きている人が生々しく直面するということも、すごく大きな意味があるのだろう。
ここで、誰の魂が救われるのかということは、映画の内容に関わってしまうので、あまり書けないんだけど、これはやはり戦争とか不法入国と就労の問題とか、アメリカが抱えている現実と結びつけて考えざるをえない作品であるとは思う。