平澤の伝えられ方

韓国の大手メディアのなかでは、やはりオーマイニュースが平澤のことを大きく伝えているようだ。
たとえば、この記事。

http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=328838


5日夜に、抗議集会に参加していた住民や市民団体の人たちが警察に強引に連行されたことを伝える内容で、警察だけでなく、鉄条網を作ろうとする軍の部隊や憲兵たちとも、住民が小競り合いのような状態になっていることも書かれている。
この、抵抗している団体のサイトの記事と重なる内容。
http://www.ne.jp/asahi/cyura/kiyoko/hangukalbum/060505_2.htm


当然ながら、アメリカの存在をどう考えるかによって、韓国の各メディアの反応はさまざまだ。
いわゆる「守旧メディア」と呼ばれる旧大新聞(朝鮮日報中央日報東亜日報)は、あえて日本的にいうと「親米右派」であり、反市民運動の立場だから、この抵抗の動きには批判的ではないかと思う。ただ、それらはもともと現政権に批判的なので、韓国のなかでのこの問題の報道のされ方は、やはりすごくねじれた状況になってるんじゃないかと思う。
分かりやすいのは、この中央日報の日本語記事で、抗議の運動の中心になっている団体を「住民を利用した」みたいな論調でバッシングするような内容になっている。

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=75418&servcode=400§code=400


「典型的」なやり方という気はするが、たしかに住民の間でもさまざまな考えや立場があったことは間違いないだろう。ここはなんともいえない面がある。


ぼくは、根本的に軍事施設をつくるために(いや、そうじゃなくても)住民が暴力的に排除されること、それも駐留している米軍の再編のために、それがおこなわれるということは、許されてはいけないと思うが、韓国の人たちの場合、アメリカに対する思いは、日本よりもはるかに複雑なところがあるのは事実だ。韓国で「親米」の力が強いということは、日本人にとっては決して他人事ではない、重い現実だと思う。
またそれ以上に、自分の国の軍隊の行動について、オーマイニュースのような「反米愛国」(ぼくは、そう思ってるんだけど)のメディアでさえ、どこまで批判的になれるかは分からない。


というわけで、マスコミの論調や、韓国社会でのとらえられ方に関していうと、この問題がこの先どういうふうに展開していくのか、まったく予想できない。
ひとつだけ思うことは、やはり朝鮮半島の問題というのは、日本人にとっては単純に「批判」して済ませられるようなものではない、ということだ(沖縄の問題も同じだが)。
今はアメリカの存在、それを中心にした世界秩序という要素があるだけに、余計にそれが複雑になっていると思う。