平澤関連・7日のクリップ

目についた記事を、いくつかクリップ。


今回の事件の評価や、そもそも米軍基地移転問題の報道姿勢をめぐっての、「守旧メディア」と呼ばれる大新聞と、いわゆる市民メディアとの論争も、やはり激しくなっているようだ。
オーマイニュースの記事。

http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=329101

民主言論市民連合は、今回の強制執行の過程で 500人余りが連行され、 200人余りが負傷したことを取り上げて、「今回の ‘不祥事’の一次責任は、米軍基地移転問題を国民の同意の手続きなく ‘韓米同盟’、 ‘国益’をかかげて ‘ごり押し’を貫いた政府にある」と指摘した。

民主言論市民連合は 「在韓米軍の平澤移転で、北東アジア地域紛争の際の米軍の介入の余地が高まり、 韓国は国際紛争に巻き込まれる危険が大きくなるというのに、一部の新聞では政府の拙速な米軍基地移転拡張推進に対するどんな批判も見出すことができない」と言明した。

民主言論市民連合はまた、これら守旧新聞たちが国防部が ‘対話’方針を五日ぶりに覆して強制退去に臨んだことや、 10倍を越える物理力を動員して流血事態を引き起こしたことに対してまったく批判しないことを指摘して、「デモ隊の反発と暴力性にだけ焦点を合わせたことは事態の本質を濁ごす行動」だと強調した。


オーマイニュースに載っていた、連合ニュースの記者の記事。
http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=329191
ノ・ムヒョン大統領が、今回のような「不法な示威行動(デモなど)」に対しては、決して容赦しないと明言した、というニュース。FTAに反対して、韓国の運動団体がアメリカに行ってデモなどを行うという動きがあるようで、それに対しても強く牽制しているとのこと。


次にこれは、ハンギョレのサイトの記事だが、あとで見たらオーマイニュースにも同じものが載っていた。やはり、連合ニュースの記者の記事。
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/121285.html
多くの拘束者を出した今回の事態は、9年ぶりの大規模な「公安事件」である、という内容。500人を越えた連行者のうち、最終的に100名近い人が拘束されることになるようだ。つまり、起訴されるということか?
軍事政権時代の86年、民主化以後の96年、97年、03年などにそれぞれ起きた事件と比べられているが、これらはいずれも南北対立を背景とした思想的な側面をもつ事件とされている。

しかし、(現在の)政府が過去の軍事政権と違い民主的伝統性をそなえていることにくわえ、火炎瓶を用いた過激なデモを批判する世論が激しくなった影響などにより、労動運動圏が暴力デモよりは合法的な闘争の方を好む傾向をみせるようになった。

その結果、警察とデモ隊の物理的衝突がたびたびあっても、過去のように大規模な暴力事態で悪くならなかったが、最近の米軍基地平澤移転反対集会が流血の衝突につながるなかで大量拘束の事態が再演される状況になった。


ここでは、現在の政権の正当性につながる民主化運動の重要な一局面として歴史的評価が固まっており、また軍の出動の背景に米軍の意志があったとされる80年の光州事件との比較ではなく、現在の政権の方針と対立する民主労総などの団体が関与した「思想的」な事件の流れのなかに、今回の事態が位置づけられようとしているような印象を受ける。
上記の大統領の発言とあわせて読むと、どうもそういう印象が強い。
韓国について考えるとき、ぼくはどうしても民主化運動や南北分断、アメリカとの関係、それから日本との緊張した関係などに焦点をあわせて考えがちだが、同時にIMF体制のもとにある政権だということを忘れてはいけないのだろう。政治勢力でいうと、民主労働党との関係は、現在の政権にとって、抜き差しならないものを含んでいるのではないだろうか。
その他の国際情勢や、国内の選挙のこともからんで、今回の事態を機に、その部分が表面化してくるかもしれない。