雨宮処凛さんインタビュー

『マガジン9条』というサイトに載った雨宮処凛さんという方のインタビューが、すごくよかったので、紹介しておきます。


雨宮さんは現在作家ですが、20台の前半に「愛国パンクバンド」というのをするかたわら、右翼団体で活動しておられたとのこと。
その後、右翼の活動からは離れられて、2003年には「人間の盾」になろうとして、イラクに行かれたそうです。このインタビューでは、そのへんの経緯と心境が述べられています。
雨宮さんのホームページは、こちら。


以下は、インタビューを読んでの、ぼくの感想です。


つながっている人間関係がなくて、「自分の帰属している場所が国家しかない」と感じて右翼活動に加わったという述懐や、「破壊衝動を満たしてくれる」ものとして右翼活動があったというのは、すごく率直だと思うし、少し分かるような気がします。
また、右翼から離れた理由として、

一つは、自分が思想に依存しているなということが分かったから。自分の問題から逃げるために、右翼思想で理論武装しているんだということに気付いた。そうじゃなくて、いろんなことをとにかく自分の頭で考えよう、と思って、団体をやめたんです。


というのは、すごいことだと思う。
でも右翼時代の活動が間違ってたから、それに気づいてやめた、ということではないだろうと思います。
自分のなかの「破壊衝動」を満たすものとして、そのときは、そういう行動と思想を選んで、右翼活動に飛び込んだ。でもその行動のなかで、自分を縛っている別の(考えの)枠組みみたいなものに気づいて、そこへ「破壊衝動」を向けた。つまり、「破壊」の対象を、より本質的なものに変えた。それが、「自分の頭で考えよう、と思って、団体をやめた」、ということの意味だったんじゃないか、と思う。
自分のなかの「破壊衝動」という強い力を、ある意味で尊重し、耳を傾け続けた結果として、その後のこの方の「平和を求める活動」もあるのではないか、とかんがえます。


それから、イラクで戦争がはじまってしまった後の、

慣れちゃうというか、「始まったものはしょうがない」という感じになってしまった自分がとても怖かったです。


という感想も、すごく率直なものだと思って感心しました。自分も身に覚えがあるので。
とにかく、いろいろ考えさせられるお話でした。次回も期待します。