道場親信さんの言葉

道場親信さんの訃報には、まだ49歳という若さだったということもあり、たいへん驚いた。
僕は、主著の『占領と平和』は読んでいないのだが、もう一つの著作『抵抗の同時代史』や、雑誌『現代思想』に掲載されたいくつかの文章を読む限り、戦後の運動史についてもっともすぐれた研究をされた方だったのではないかと思う。
残念で仕方がない。
ネットで検索すると、下のような道場さんの文章に行きあたった。
http://www1.jca.apc.org/iken30/News2/N84/SedaikanTaiwa.htm


これは、2004年に行われた、ある公開討論会の感想を記したもの。この討論会は、当時、イラク反戦運動のなかで大きな盛り上がりを作っていたワールド・ピース・ナウの運動が、急速に衰退していくきっかけになった(と、記憶している)、いわゆる「警察会食事件」を契機として開かれたものだったようだ。
このなかで道場さんは、「新しい運動」への加担を表明する「古い世代」の人たちに対して、次のような苦言を呈しているのだが、これは今にも当てはまる、誰にとってもきわめて重い言葉であろうと思う。

だが、私がそれらの人々に期待したいのは、単なる「加担」「支持」の表明ではなく、自分たちがいままでどういう運動をやってきて、どのような反省や現状に対する分析に基づいて、いまどういう動きを作り出そうとしているか、ということを率直に語ることである。つまり自己の運動史を語ってほしい。それ抜きに自分はどこに加担するかということを言い合っても不毛であり、学ぶことは何もない。