NHK『プレミアム10』「女性のうつ」

これ、自身が経験者だという高木美保のコメントがすごく印象的だった。


女性は介護とか家事とか「やって当たり前」と思われる部分が男よりも大きく、実際には男性の2倍、3倍頑張らないと評価されないのが社会の現状だ。それだけに、頑張って誉められたときの嬉しさが、ものすごく大きいので、それで限界を越えるまで仕事で頑張ってしまい反動でうつになるのだ、というような話だった。
話の前段については、とくに「その通りだよなあ」と思う。女は、家庭や職場での女らしさみたいなことも含めて、男よりもずっと頑張らないと、男のように評価されないんだろう。家に帰って男みたいに伸びてたら、なんていわれるか分からんもんなあ。
でも、それだけに誉められたときが嬉しくて限界を越えて頑張ってしまうというのは、だからってそれがよくないということも出来んし、なんか辛い話だ。要するに、そういうところでしか女性に達成感を得させないような社会だ、ということなんだろうけど。
ぼくの場合は、言われないとなかなかこういうことに気がつかない。だから、うつの女性が増えるのかも知れん。


番組の後半で、女性が6年間重いうつで、介護しながら仕事と家事・子育てを頑張ってた男性の方もうつになってしまう夫婦が登場するんだけど、ぼくは結婚してないからこういうのが分かりにくいんだけど、これはどちらも辛いだろうと思う。
でもこれだけうつが増えてるのは、やっぱり休みがとれなくて長時間働かないと減給されるか仕事を失ってしまい、そうなると再就職も難しいというような今の経済構造があって、この夫婦の日常を見てて実感したけど、夫婦が限界に来る前に救ってくれるような社会保障制度が備わってない、というかどんどん削られてるという制度の問題がやっぱり大きいことは間違いない。
そこを言わないで「気の持ちよう」みたいな話をしても、というのはたしかにある。
でも、みんなそこが分かってても、そんなに簡単に今の社会の流れみたいなものが変わるとはかんがえられないから、ともかく自分たちでできるだけのことをしようとしてるんだろうけど・・。


ちなみに、ぼくも「うつ」と診断されたことがあるけど、番組に出てきた人たちのように重症ではない。というか、うつと躁が短期間に入れ替わる感じで、躁状態のときは、こういうふうにいくらでもエントリーが書ける。
ただ、うつになると何もできなくなるというしんどさや、「感情がどうしてもコントロールできなくなる」という感じは、少しだけ分かる。
それにしても、昔はこういうしんどさは、全部「怠け病」みたいに言われてすまされてたのかなあ。