ついにウオッカが引退した。
もう十分だろう。よく走ったなあ。
たぶん現役馬のなかで一番好きだったけど、私は良いファンではなかったと思う。
3歳のある時期に、この馬は左回りのレースに出てきたら全部単勝を買おうと思ったんだけど、実際は出来るもんじゃないんだよなあ。
自分が(馬券をとって)嬉しいときと、自分の好きな馬が勝つときとが、いつも一致するとは限らないということが、競馬の特徴のひとつであり、大きな魅力だと思う。
牡馬を相手にこれほどG1を勝ちまくった牝馬はいないにも関わらず、二歳時のジュナイベルフィリーズを除くと、左回り、それも東京でしかG1を勝てなかったということから、「名馬」と呼ぶのに躊躇する人もいるかもしれない(私は、「名馬以上」だと思ってます。)。
理由は、私にはよく分からない。
この馬の最大の魅力は、どんなに不利な状況になっても、ゴール前で馬群をこじあけて抜け出し、鼻差でも先着するという勝負根性だった。
逆に弱点といえるのは、あくまで見たの印象だが、スパートしての初速は猛烈に速いのだが、それが長続きしない感があり、秋華賞の負けなどはそれが露呈したようにも見えた。
それがなぜか、東京コースでは、その弱点が目立たなかったのである。
それにしても、同世代のライバル、ダイワスカーレットと牝馬二騎、牡馬を抑えて天下の覇を競った期間は、きっと後世に語り伝えられるだろう。
