先の小沢発言について

この件は、こちらでも記事になさってたんですね。
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20091117/p1


こちらはもっと「遅まき」です。


もうひと月ぐらい前の発言だが、報道では小沢がキリスト教を「排他的」だとかいって批判したということが特に強調して書かれていたと思う。
ブッシュの戦争を公然と支持してイスラム圏の国に対する破壊や虐殺の片棒を担いだ国、しかもそのことの検証も反省もまったくしてない国の政治家が、なんで「キリスト教の排他性」を他人事みたいに論えるのか、矛盾も甚だしいと思ってたけど、あらためて読むとイスラム教のことも批判してたんだな。
ていうか、それなら余計悪いじゃないか!


小沢自身は、ブッシュ(息子)の戦争に対する支持は明確じゃなかったかも知れないけど、そもそも湾岸戦争のときに「普通の国」とかいって、軍事力による国際貢献への道筋をつけた張本人だ。
ブッシュ(親子)が体現した「キリスト教原理主義」の最悪の部分の現実化に加担した政治指導者の一人といってもいい。
それに第一、小沢が実権を握っているという民主党の政権は、あのイラク攻撃への検証も反省もしてないどころか、いまだにアメリカの軍事行動(とりわけイスラム圏での)に協力し続けているし、米軍基地問題にしたって「移設」するだのしないだの、どちらにせよ基地の維持に貢献することしか考えていない。アメリカに対して、地球上から一つでも基地を減らせというようなことは全く言っていないのである。


とりわけイラクに関しては、いまだに昨年のサドルシティーへの攻撃とか、米軍による攻撃で「市民を含めた」(この言い方は嫌だけど)犠牲者が出続けてるというじゃないか。
そういう自分たちが手を汚してきた、今でも汚し続けている凄惨な現実をないもののようにしておいて、「どこそこの宗教は排他的だ」と言う政治家と、「そんな寛容さの無い発言をしてはいけない」ともっともらしく言うマスコミや評論家・学者の、空疎な論議
人殺しに協力しながら、どれだけ「寛容」な発言をしたって何の意味もないだろう。でも、そういう言論がまかり通る、それどころか支配してるんだよなあ。


大体、仏教界も仏教界だ。
この発言は、仏教関係の票狙いで行った小沢のリップサービスだと言われてるらしいけど、そもそもこういう政治家を来賓として呼ぶ前に、「寛容が大事」だの「殺生はいけません」だの言うんだったら、イラクやアフガンでの人殺しを支持した落とし前を、ちゃんとつけることを要求するのが宗教者の役割というものではないのか。
まあ、自分の国が起こした戦争や、それに協力した自分たちの行動についての落とし前もちゃんとつけてないところがほとんどだから、当たり前だともいえるが。