変り映えのしない景気の話題

最近、「よく売れている」と話題になるのは、ユニクロとか発泡酒とか値段の安いものばかりだけど、それは(服とかビールとかが)「そういう値段でないと売れなく(買えなく)なった」ということ思うんだけど、そういう風には言わないんだよなあ。


それだけ安い値段で売るためには人件費を削ったりとか、海外の安い原材料を使うようにして国内の産品(農産物や部品)を使わなくなるとか、流通の中間段階を省くから問屋や流通業者が潰れるとか、色々なことがあるはずで、それで余計みんな収入が少なくなって、さらに安いものしか買えなくなる。
そういう悪循環があるのではないかと思うが、テレビの経済ニュースなどでは、そういう視点で語られることが、相変わらず滅多にない。
「百年に一度の不況」といっても、みんな「ピンチをチャンスに」と言うことで現実の危機や歪みを否認してしまって、たいしたことは何も起こらなかったことにしてやりすごそうとしているのであろう。
戦争の末期に、暗い間は滅びない、明るさに執着するようになってくるといよいよ終わりだと言ったのは、たしか太宰治である。