釈放

不法入国事件で容疑者を釈放 任意捜査にhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090309-00000567-san-soci

脱北者の親族を装った不法入国事件で、大阪府警は9日午後、入管難民法違反(不正入国幇助)の疑いで逮捕した無職、斉藤博子容疑者(67)を釈放し、任意捜査に切り替えたと発表した。

 供述に変遷がなく、逃亡の恐れもないと判断したという。


この先どう展開するか分からないけど、とりあえず釈放されただけでも良かったと思った。
こういう形をとることは、警察は最初から決めてたのかもしれないけど。


この「日本人妻」の人は、法律に反することをしたとはいえ、境遇も経緯も気の毒すぎる。
朝鮮で暮らしていたのでは生きていくこともままならず、中国に亡命しても難民認定を受けることは出来ず、見つかれば送還されるしかない。母国であるはずの日本は、受入れに不熱心だから、どうしてもこういうブローカー的な人間に頼って危ない橋を渡らざるをえない。
他国のことはともかく、日本としては少なくとも、自分の国から外国に渡って苦労してきたこういう人たちを、全面的に受入れるという体制をとるべきだろう。それが出来ていないから、こういう犯罪も起きてしまうのだ。


アメリカなどは、世界中の国々に関することで、ときどき「人権問題を政治的に利用してる」と悪口を言われることもあるが、何といっても(どんな目的があろうと)、それだけの数の人たちを受け入れているという事実は重大だ。
日本の難民受入れの現状は、到底そんな心配をするレベルにも達していない。
「日本人」でも外国の難民でも、受入れなければ生きていくことがままならないという人たちを、全員受入れることは物理的に無理であるとしても、可能な限り受け入れるという前提で政策や制度を作っていくべきだ。


この件についてはとりあえず、こう言っておきたい。
日本がこの先、この地域で、また世界の中でどんな政治的・外交的選択を行うとしても、(特に朝鮮半島に関わって)こうした人たちの入国と受入れを今のように制限し続けることが、国の進路と整合性を持つということはありえないし、またあるべきではない、ということだ。