どちらが絶滅論者か

これは、まったく真っ当なことを言ってるよ。


パレスチナ:「ハマス無視では解決なし」 ハニヤ氏政治顧問、オバマ米政権をけん制

http://mainichi.jp/select/world/news/20090126dde007030058000c.html


ハマスは、イスラエル生存権を認めてないから」とか、名目上のことだけを問題にする馬鹿な人が、(反戦派、イスラエル批判派のなかにも)いるけど、ハマスのどこにそんな実力があるんだよ。
実際に相手を絶滅させる力を持っていて、現実にそれを行使して圧迫を加えてきたのはイスラエルの方じゃないか。いわばそのことの反映として、抑圧されてきた民衆の心情的な支持をとりつける形で、ハマスの名目上過激な言説も出てきている。


パレスチナハマス生存権を認めないという「過激な」言説を表明していないイスラエルの方が、現実には日常的にハマスのメンバーや、一般のパレスチナの民衆に対する殺戮を(戦争下でなくても)遂行してきたし、占領下の経済封鎖によって多くの人命を「平和裡に」奪ってきたのだ。
実際にパレスチナ人の意思と存在を無視し、多くの人命を奪い続けてきたイスラエルや、正式な選挙で信任されたハマスをいまだに交渉相手として認めようとしないアメリカのような国と、上の記事のように話し合いの姿勢を真っ当に表明しているハマスとでは、どちらが真に相手の存在を尊重しない、絶滅につながる思想の持ち主なのか、現実に即して判断しろ、と言うんだよ。


占領と封鎖の継続や、イスラエルに融和的でないハマスの存在の排除を前提にした和平論は、この不当で、根源的に暴力的な現実を何も変えないだろう。この現実を変えていくことによってのみ、ハマスの名目上の主張の過激さが支持される基盤を失わせ、その路線を非暴力的なものに変更させていくことが可能になるのだ。
その現実の力学から目を閉ざして、ハマスの「軍事路線」のみを排撃するような議論は、排除を根幹としている点において、イスラエルの政治的な立場を援護するものでしかないというべきだ。