ドーンセンター問題

橋下知事は被害者を見捨てるつもりなのか?http://d.hatena.ne.jp/font-da/20080408/1207659453


(末尾に追記あり)


橋下知事はもともと「改革」にあたって、「セーフティーネットは残す」ということを何度も強調してて、図書館を唯一見直しの対象から外した理由も「知のセーフティーネットだから」というものだった(よく分からない言い分だけど)。
この記事を読むと、ドーンセンターというところは、深刻な被害を受けた人たちが生きていくためのセーフティーネットとして機能している部分が確かにあるようだ。
こういうところ(機能)を真っ先に削減・廃止の対象にするということは、「セーフティーネット」は残す、という看板は嘘だったということであり、降ろさなくてはいけな。「生き残れない人を作っても、改革を行う」というふうに言い換えなくてはいけない。そして、それならぼくは、この改革の方針には反対するしかない。


上の記事を読んでて思ったのは、こうした被害者の救済には社会的なコストがかかるのであって、それはある程度公的にまかなわれるしかない、ということ。
これは、たとえば知事や議員の給料をゼロにするとか、やりうることを全部やった後で、はじめて見直しを検討の対象にするべき種類のことだと思う。
あるレベルを公的に保障したうえで、はじめて「効率」の議論が出てこれるんじゃないのかな?


「他の地域にはない(先進的な)施設だから、削ってもいいだろう」という考えがあるんだろうけど、救済のためにはこういう施設が、ほんとうはどこにも必要なんだろう。他の自治体が、どこもこうした暴力の被害者のセーフティネットを整備できてないのに、大阪だけがどうにかまともなことを、さきがけとしてやり始めてた、ということじゃないの?


ここもなるほどなあ、と思った。

加えて、「ドーンセンターがある」ということによる、安心感がある。無料で回復に役立つ本も借りられるし、静かな場所で勉強することもできる。いざとなれば駆け込める。ドーンセンターが被害者の支援にはたして来た役割は大きい。


しかしともかく、こういう問題(性暴力など)に対する社会的な無知、意図的な偏見みたいなものが大きいんでしょうね。
ぼくもこの記事を読むまでは、この施設が担ってる仕事の切実さのようなものが、よく分からなかった。
橋下知事自身も、たしかにその部分の感覚に、一番問題があるのだと思う。ぼくのような人の無知(や無関心)が、橋下の無知を支えてしまってる、ってことか。


この財団廃止案には反対します。


追記:「たとえば知事や議員の給料をゼロにするとか」と書いたけど、根本的には、「われわれの税金を倍にしてでも」確保されるべき財源だよな。ただもちろん、それをやる前に、行政がするべきこと、われわれが行政にさせるべき「見直し」は、府の「改革」以外にも、いくらでもある。そもそも、ここでは国の責任をもっと問うべきだ。橋下知事では無理だろうけど。