まだこんなことを言ってるのか

薬害肝炎問題についての町村官房長官の発言。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071224-00000915-san-pol

 「また、総理大臣の言っておられる趣旨を忖度(そんたく)いたしますと、ある種の道義的責任というものが行政府にあったということはやっぱり認めるんだろうと思います。だけど、そういったことを法律的にどう書くのかなというあたりは、なかなか難しいので、その責任論を詰めていくことによってですね、肝心の救済という実体が遅れてしまっては、ある意味では何の意味もないのではないだろうかという考え方もあります。そういう意味で、総理はきのう、何と言いましたっけね、『患者のみなさん方の気持ちに配慮をするということが最も重要である』ということで、いわゆる責任というものを超越して、この立法作業をすることになるのではないだろうかという言い方をしておられるのは、そういう意味なんだろうと」


「責任を超越する」という言葉の意味が分からないけど、要するに曖昧にするということだよね。
責任を明確にすることにこだわって「救済」が遅れてはならない、と言ってるわけだけど、とんでもない言い逃れだ。


責任を明確にすることがなされて、患者たちははじめて精神的に救済される。
当人たちに金銭面での補償がなされることは当たり前で、それだけでないがしろにされてきた人間たちの尊厳が回復されるはずはない。
救済の実現とは、はじめからそういう射程のうえで図られる以外ないものであるはずだ。
それが分かってないから、原告たちは怒るのだ。


この官房長官の発言は、「救済」という概念を経済的な意味のみに切り下げたうえで、その経済的救済ということを、責任を明確にしないことの理由にしようとするものだ。
そもそも、この訴訟においてもっとも求められているのは、再発の防止ということだろう。責任を曖昧にしたままで、どうやって再発が防げるのか?
患者たちの気持ちに「配慮」しているなら、こんな発言がなされるはずはないのである。