社民党のことなど

めちゃくちゃな展開で重要法案が可決されて、もうすぐ選挙がはじまろうという時期に、なまぐさい話題で恐縮である。


ぼくは普段選挙のこととかにはあまり関心がなくて、それに新聞もテレビもほとんど見ないので、情報を知らなかったのだが、きのうだったか友人からの電話で、社民党が今度の参議院選挙にHさんという人を大阪の選挙区に擁立する、という話を聞き、驚いた。
この人は、いわゆる社会運動的なところでは名前の通ってる人だと思うけど、政党から選挙に、それもいきなり国政選挙に出るとは意外だった。
一般的な知名度もそんなにないはずで、組合とかそういう選挙基盤みたいなものもあるのかなあと思ったのだ。さっきホームページを見てみると、組合運動もしておられたようだけど。


Hさんを候補に立てたという話を聞いたとき、社民党はいよいよ組合中心の政党から、市民運動(えらい幅の広い言葉だけど)中心の政党へと、本気で軸足を移す腹を固めたということか、と思った。
だとすれば、他に方法がないからそうするんだろうが、そしてそうであっても「そうです」とは党の関係者は言えないだろうが、悪い選択ではないと思う。


いわゆる「運動」の世界で活躍してる人が選挙に出る場合、東京だといろんなミニ政党みたいなものが受け皿になるのだろうが、関西ではそういうのはないので、というかあってもぼくは聞いたことがないので、社民党がその受け皿になるというケースは多いかもしれない。
地方自治体の選挙では、最近とくにこの党がそういう候補の選び方をしているという話も聞くことがある。
「運動」をやってる人の側がどう考えてるかは、まあいろいろだろう。


とくに大阪の場合は、社民党は、他の都府県(北海道は違うらしい)ではこの党の支持基盤になってきた自治労や教組が民主党支持なので、ずいぶん苦しいのだという話を、以前関係者から聞いたことがある。まあ今では全国的にも、自治労の社民離れみたいなことが進んでるみたいだが。
だから、大阪では社民のもっとも有力な基盤というのは、解放同盟とかになるのかもしれない。そして、いまもちろん、解放同盟もたいへんだから、社民党市民運動団体に軸足を移すというのは、ことに大阪では、必然的ともいえる流れだろう。


市民運動側からすると、もちろん議会政党そのものへのアレルギーは強いとはいえ、自民党がこれだけ滅茶苦茶やってるのでは、選挙に関わらないというわけにもいかなくなってくる。
共産党とは(申し訳ないが)やっぱり組めないという人が多いので、というか、共産党の方にそういう人が多いからか、そのへんはよく分からないが、ともかくこれは選択肢になりにくいらしい。さりとて、民主党では自民と何も変わらないじゃないか、という人も多い。
だから、社民党というのは、やはり一番ありうる選択肢なのだろう。


ぼくはどう考えるかというと、もちろん自民党が負ければいいということが第一なのである。
そのうえで、民主党に入れなければ「死に票」になるではないか、ということだが、それも分かるが、選挙を通じて、現状に不満であることを示すための「動き」を起こすということを目的と考えるなら、たとえ「死に票」になっても、自分の入れようと思う党に入れるのがいいようにも思う。
これは、いつも悩むところである。まあ、もちろん今の選挙制度自体を変えるべきだと思うけど。


というわけで、自分がどこに入れるかは別にして、次の選挙では社民党の動きに注目したい、という話でした。