辛い夢

昨夜みた夢の一部。


自分はおそらくまだ子どもなのだが、一人でレストラン(料理店)に入ってきて、両親が先に来て食事をしているはずのテーブルを探している。それが見つからなかったからか、他に理由があったのか分からないが、他の客がコースの途中で帰ってしまったらしい空席に一人で座ることにして、運ばれてきた魚料理を食べはじめる。ところが気がつくと、すぐ隣のテーブルで両親が食事しているのである。自分は、今出されている魚料理を食べ終わってから両親のところに行こうと、げんきんなことを考えながら、美味しいがやたらにボリュームのある料理を難儀して食べている。その耳に、母親が父親に小さな声で「今日は楽しかった」と呟くのが聞こえてくる。
この間、背景なのか耳の中になのか、シューマンの『森の情景』というピアノ曲のなかの「淋しき花々」というパートの一節が、リフレインで流れている。なぜこの曲だったのかは、分からない。


目が覚めて、母親が父親に「今日は楽しかった」という言葉を、しみじみとした静かな口調で言っていたのを思い出して、胸の詰まる気持ちになった。現実には、ぼくが子どもであったときから、もう40年近く経ってしまったのだ。時間は取り戻せない。


こういう夢は時たま見る。