睡眠薬の不思議

何度か書いている母親のことだが、4月に短期間入院して、退院してきた頃はあまり食事をとらず心配していた。ところが入院中に睡眠薬のような感じで病院から渡され服用していた薬を、退院後も就寝前に飲むようにしたところ、それを飲んだ途端に猛烈に食欲がわくらしく、はたでみていてあっけにとられるほど物を食べはじめる。
ただ食欲がわくというだけでなく、気分もそれまでは一日ふさいでいたものが、急に快活になるらしく、表情も豊かになり、とにかくよく喋るようになる。その後眠りについても、楽しい夢を見たりするそうだ。
それが、薬を飲むと数分で、まるで別人のように劇的に変わるのである。
とくに食べることに関しては、とりあえず食べてくれることは、こちらとしては嬉しいし、気持ちが明るくなるのもホッとする面があるのだが、元来そういう意図でもらっていた薬ではないし、戸惑いもある。
医師に聞いてみたところ、その薬はやはり気持ちを安定させるためのものらしいのだが、まれにまったく逆の効果を及ぼしてしまう体質の人が居るらしい。うちの母は、その極端な例であろう、ということだった。
これも、脳の不思議かな?
いまは、普段でもほぼ普通に食事をとる(胃腸の具合が悪いので、そういかないときも多いが)のだが、夜遅くこの薬を飲むと、やはり即座に効果が出て、甘いものなどを欲しがる。あまり食べ過ぎると、かえって体調がおかしくならないかと心配である。