韓国のセミ

夕方、大学の構内を歩いていると、聞いたことのない妙な音がしきりにするので、あれは虫の声かと韓国の人にたずねると、セミの声だ、と言った。


先日、韓国に行ったときの話だ。
その音は、虫の声というより、機械の音のようにも聞こえ、ともかくセミだとは思わなかった。
韓国に何度か行って、気がつくことは、動物がこちらとはかなり違うものがある、ということだ。
公園でリスを見かけるが、黒っぽくて、こちらのシマリスなどよりずっと大きい。大きいだけでなく、尻尾の形や毛並みなど、どこか荒々しい感じである。
また、カササギは韓国の国の鳥だそうで、街中でも見かけることがあるが、やはり日本に居るものよりも一回り大きいようだ。


日本と韓国では、人の顔や雰囲気や、家並みや町の風景や、山の姿とか植生などが、日本とあまり変わらないだけに、これらの小動物の姿を見かけたり声を耳にしたとき、その違いにひときわ驚かされるのである。
ぼくが韓国を旅していて、ああ異国の土地に来たんだなあ、と一番感じるのは、そういう時である。