『ヴァレンシュタイン』

このごろ私どもが眼にするのは、
かつて百五十年前、ヨーロッパの国々が、
悲惨な三十年戦争尊い成果として喜び迎えた、
堅牢なはずの古い秩序が崩壊している姿です。
そこで、いまいちど詩人の空想を動員して、
あの暗かった時代を皆さま方のお眼の前によみがえらせ、
御一緒に、いまより朗らかな気持で現代を眺め、
希望に満ちた遠い未来に眼を向けようではありませんか。


 これから御披露する作品で詩人は、皆さま方を、
あの戦争の真っ只中にお連れいたします。
荒廃と略奪と悲惨の十六年が過ぎましたが、
世間はいまだ混沌を極め、
遠くを望んでも、どこにも平和の希望は見えて参りません。
国土は武器のたまり場と化し、
町々は荒らされつくして、
マクデブルクは廃墟となり、商工業も技芸もどん底の状態、
市民はもはや一文の値打ちもなく、怖いものなしは軍人ばかり、
天をも恐れぬ破廉恥が良俗を嘲笑し、
長い戦さで凶暴化した荒くれどもが、
荒廃した大地にのさばっております。(p17〜18)

ヴァレンシュタイン (岩波文庫)

ヴァレンシュタイン (岩波文庫)

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『生政治の誕生』(読了)

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『生政治の誕生』(アメリカの新自由主義)

(承前)

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『生政治の誕生』(ドイツの新自由主義)

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『生政治の誕生』(読み始め)


そういうわけで(承前)、近所の図書館でフーコーの『生政治の誕生』を借りてきて、少しずつ読んでいる。

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『天皇制の隠語』

天皇制の隠語

天皇制の隠語


3年ほど前に出版された本だが、すごく読み応えがあった。
オクシデンタリズム」とか「人的資本」とか「イソノミア」とか、きっと有名なのだろうが、僕としてははじめて聞くような言葉も沢山出てきた。

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