不本意極まりない動物

金曜の夜のニュースを見ていたら、大阪の街中、淀屋橋の河岸にヌートリアが出現し、見物人や警察まで出る騒ぎになったとのことだった。


ヌートリアは、子どもの頃図鑑ではよく見たが、実物を見たことはない。
米原産で、日本には戦前に輸入され、今でも岡山県には多く住んでるらしい。
先日、京都の鴨川の河原で見かけたという話を聞いたばかりだが、大阪の街中にも出たというのは、やはり環境破壊とか、人為的な原因があるのだろうか?
ところで、ヌートリアについて詳しく書いてある、こんなサイトがあることを教えてもらった。
http://www.h4.dion.ne.jp/~hosocom/nutriadata.htm


この写真から分かるように、ヌートリア自身の認知度がいまひとつであるため、ビーバーやカワウソ(もう日本にはいないはずだが)、さらには同じ南米原産のカピバラなどと、よく間違えられるようである。
日本に住むようになってずいぶん長いのに、それも気の毒な感じだが、驚いたのは、次の一節を読んだときである。

うんちく: 毛皮はカワウソのように上質で、カワウソの毛皮と称して売買されたため、カワウソのスペイン語ヌートリア>がまちがってこの動物の呼び名になった。


つまりは、見間違えるもなにも、それ以前に「ヌートリア」という呼び名自体が間違っているのだ。


誰かが、『これはカワウソじゃないよ、ヌートリアだ』と言ったとしても、それは『これはカワウソじゃないよ、カワウソだ』と言ってるのと同じ意味でしかない。
これはヌートリアにとっては、まったく不本意なことだろう。


だが、いくら「ヌートリア」という呼び名自体が間違っているからといって、もしヌートリアではないとしたのなら、いったいこの動物は何なのだ?
「正しい呼び名」自体が間違いだというのは、ややこしすぎる。
そろそろちゃんとした名前を付けてあげて欲しいものである。