新新八犬伝

論語』や仁斎の本を読んでいて、昔見たNHKの人形劇、『新八犬伝』を思い出した。


滝沢馬琴原作のこの物語では、犬と人間のお姫様の間に生まれた八人の剣士が活躍するが、全員が名前のなかに「犬」の一字を持っている。
そしておのおのが、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各一文字が浮かぶ球を身につけているのである。


そこで、今生きている人で、名前のなかに「犬」の字のある有名人を探し、八剣士を作れないか、考えてみた。

犬養道子(祖父は毅)


犬塚弘(元クレイジーキャッツ、愛称ワンちゃん)


四方田犬彦(評論家、元GS)


犬童一心(映画監督)


犬山イヌコ(元は犬子)


ぼくの知識では、これだけで、どうしてもこれ以上出てこない。
今日テレビ欄を見てたら、「日曜美術館」で犬塚勉という画家のことを取り上げるとあったが、すでに故人とのこと。
どうしても五人で、仁・義・礼・智・忠、までしか行かない。


まあ居ないなら居ないで仕方ないのだが、それだけでなく、どう見ても戦いに向いてなさそうなメンバーである。
犬塚勉や犬養毅を引っ張り出しても駄目であろう。


そこで、「この人が犬の字に改名してくれたら」ということで、オールスター的に人選してみた。
こんな感じである。

佐々木犬介(プロレスラー、元新日)


清水犬太郎(Vシネマ、事情があって現役でない)


大江犬三郎(ノーベル賞作家、強くはない)


森田犬作(千葉県知事、元自民党、剣道が強いのは嘘らしい)


東郷犬(雑民党、最近はどうしたはるんやろう)


松浪犬四郎(長州力の師匠でもある、今の得意技は壇上から人に水をかけること)


オー犬ブルースリ(菊花賞馬、その後はパッとしない)


犬ドー・コバヤシ(吉本興業ナガサキならもっと良い)


犬・ローチ(映画監督、社会の不正義とは正面から戦う)


何人か疑わしいのはいるが、多くが何らかの意味で戦いの実績があったり、修羅場を踏んでいたり、失うものがなさそうだったりする人たちである。
まあだいぶ戦力アップではあろう。


だから、どうってこともないけど。
何の含意もない話だった。


ちなみに、「猫」でも考えてみたが、こちらは「猫ひろし」ぐらいしか浮かばず。
猫はきっと、戦いにも儒教にも縁がないのだろうと、もっともらしいことを言ったところで終わりにする。