『童子問』など

童子問 (1970年) (岩波文庫)

童子問 (1970年) (岩波文庫)


どうもこの文庫本は、まだ復刊されてないようである。
ぼくは、古本屋で見つけた。
いわゆる現代語訳はついてなくて、漢文で書かれた原文を仮名まじりの書き下し文に改めた内容なので、読みにくいということはあるが、仁斎の思想の精髄と言われているだけに、たいへんな迫力を感じる。
是非復刊して欲しい本だ。


ところで、中央公論社の『日本の思想13 伊藤仁斎』の巻頭に載っている文章「日本儒教創始者」のなかで、貝塚茂樹は、仁斎の思想を市民的な啓蒙運動として捉え、同時代の中国で起きた反朱子の運動、清朝考証学との同時代性に着目している。
その文章が書かれた1971年という時期を考えると、文化大革命が筆者に与えたインパクトということも考えてしまうが、どうだろうか?