この報道に疑問あり

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/105041/

疑問が残るのは、このニュースの内容自体よりも、この方法が「倫理問題を回避する」というふうに語られることの方である。


再生医療と呼ばれるものが発達し、苦しんでいる人が救われるのであれば、もちろんそれは善いことだ。だが、だからといって、そこに「倫理的な問題」が存在しないということではない。
では、ここで「回避される」、いやされない、と言われてる「倫理的な問題」とは何だろう。

一方、この万能細胞は精子卵子も作れるため、自分と同じ遺伝子を持つ人間を作ることも原理的には可能という。クローン人間と違って現時点では法規制の枠組みがなく、新たな倫理問題を生じかねない。


つまりはそこから「ヒト」(クローン人間)が人工的に作り出せるか否かが、問題になってるらしい。
だが、それがどんなに「善い結果」をもたらしうるものであっても、生命に人工的・技術的な操作を加えて意図どおりのものを作り出す(変えてしまう)というところに、「倫理的な問題」の根本はあると、ぼくには思える。
つまり、人間がこうした技術的行為を続ける限り(それは続けざるをえないだろうし、それが悪であると言いたいわけではない)、「倫理的な問題」が消え去る(回避される)ことは、決してない。