ニーチェはこう言っていた。きわめて真実なことであるが、物事の進化と呼ばれるものは、「多少とも暴力的な、多少とも無関係な屈従の現象の、ある恒常的連続のことである。ただし、常に抵抗がまき起こり、防衛や反応をめざして行われる変身の試みがあり、ついには反対方向に行動の幸運な結果がもたらされることを忘れてはならない」と。(p371)
『アンチ・オイディプス』(文庫版)の上巻のなかにあったが、これ、すごい好い言葉や。
やっぱり、ニーチェというのはすごい思想家なんだろう。
『アンチ・オイディプス』を、むかし読んだことがあると前にも書いたけど、じつは人類学や歴史学に深く関わる第三章は、用語がまったく分からないので読んでなかった。
今回は、そこも律儀に読んでる。
読むといっても、ちゃんと理解しているわけではなく、大まかな輪郭をなぞる程度のことだけど、それでも「まったく分からない」ということでもないのは、この何年かの間に、少しは賢くなったということか?
それから、やはり上巻のなかにあった、次の言葉も心に残る。
ファシスト的あるいは反動的タイプの無意識的備給が、革命的な意識的備給と共存することがありうる。また逆に、欲望の次元における革命的備給が、意識的利害にしたがう反動的備給と共存することも(稀にではあるが)起こりうる。(p202)』
- 作者: ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ,宇野邦一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/05
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