労働問題についての短いメモ

生田武志さんのホームページによると、大手の人材派遣会社で、いわゆる「日雇い派遣」の登録スタッフにも有給休暇や雇用保険の適用が保証されるという労使協定が成立したとのことで、すごくいいことだと思います。
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays10.htm


『労働ダンピング』という本を読んだときに、非正規雇用労働者の「正規雇用化」が、現在の雇用に関する問題を解決する決定的な処方箋のように書かれてるように思えたことが、少し不満だった。
全員が「正社員」になれば問題解決、というのは少し違うような気がしたのだ。
もちろん、あの本ではその主張は、正規雇用労働者の労働条件を「人間的」なものに改善するということとセットになってるのだから、そうした不満や危惧は的を外したものかもしれない。


いずれにせよ現状では、正規雇用の「請負化」「契約社員化」など労働条件の悪化・流動化を食い止めることと、日雇い労働をもっとも際立った形とする非正規雇用労働者の雇用の安定化・保証とを、両面作戦的にすすめていく必要があるのだろうと思う。
そしてもっとも基本的には、(分配による)生存の保障と、労働に関する問題とは切り離して考えられるべきであるということ。