最近買った本のこと

みなさん、コメントやトラックバックをくださってありがとうございます。
なかなか迅速に対応できないんですが、よく考えて答えや感想を述べたり、記事に反映させていきたいと思います。


こちらの記事の一節。

http://hiro551.exblog.jp/1965414

本当は選択肢があるのに、先進国に住んでいる多くの人たちは
 それに気づいていないだけなのかもしれません。


たしかにそうかもなあ、と思います。
それに気づけない、気づかせないような仕組みになってるという部分もあるだろうし、気づいても実行に移すというのは、なかなか難しいですよね。
紹介したドーア氏の本も、結論的には「多様な資本主義」の擁護、ということだったと思うけど、日本ほど世界経済のなかで大きな存在になると、単独に「降りる」ということも許されないだろうし、そうなると個人の選択の幅もすごく限られてくるでしょう。


ところで今日は、先日買った本の話を少し。
休日に大きな書店に行って、本を二種類、三冊買いました。


ひとつは渋谷望著『魂の労働』。
前からよく話しに聞いていた本で、関心があったのですが、やっと買いました。読み終わったら、また感想などを(なるべく短く)書こうかと思います。


もうひとつは、高史明さんの『闇を喰む』ⅠとⅡ(角川文庫)。
この本は、『前夜』という雑誌に、作者のインタビューが載っていて、読んでみようと思いました。このインタビューそのものはまだ読んでないんですが、聞き手側によるその前書きのなかに、終戦から朝鮮戦争が終わる頃までの日本の左翼運動の歴史に関する資料・文献が非常に少ないということが書いてありました。
これは、ぼくも以前から感じていることで、一度大きな書店を何軒か回ってそういう書籍を探したんですが、なかなか客観的な文献と思われるものがない。近現代史の棚に行ってもないし、共産党関係の棚を見ても、不破さんとかが書いた「正史」みたいなのはあるんだけど、ぼくが読みたいと思うような本は見つけられませんでした。これは、ぼくが素人だから探せないのかと思ってたけど、あの雑誌の作り手の人たちなら、そういうことの専門家だと思うので、その人たちが言うのならやっぱりほんとに無いんだろう。
高史明さんのこの作品には、その当時の運動のことなどが体験者の視点から描かれているらしいので、関心を持ちました。


まあ、この頃の運動や冷戦体制のことについては、最近出た道場親信さんの『占領と平和』(青土社)に詳しく論じられてるだろうから、もちろんそれにも期待してるんですが、情報によると定価4200円で750ページ、厚さが43ミリもあるらしい。買えたとしても、今年中に読みきれるか心配です。


高史明さんというと、ぼくたちの年代のものにとっては、12歳で自殺した息子さんの岡真史君のことが真っ先に思い浮かぶのですが、『闇を喰む』は、ご自身の波乱に満ちた生い立ちを、戦中・戦後の歴史のなかに叙述された作品のようです。読み始めたところですが、たいへん読みやすい文章で、いろいろなことを考えさせられます。