犯罪的な報道

自衛隊員死亡 訓練計画に問題


http://www3.nhk.or.jp/news/t10014800761000.html


自衛隊内部の「事故調査委員会」などに任せていることがそもそも大間違いだから、それでもこういう正直な報告が出たことをむしろ評価するべきかもしれないが、『訓練の計画や管理態勢に問題があった』などという見解を鵜呑みにして、そのまま「事故」みたいに報道するNHKの姿勢は、まさしく犯罪的、いや犯罪幇助である。
まあ、NHKの「内部調査」も自衛隊と同断だから、当然と言えば当然だが。

海上自衛隊の特殊部隊の養成課程の隊員が格闘訓練のあとに死亡した問題で、この隊員の格闘の技量が高くなかったうえ、訓練に医師を立ち会わせていなかったことがわかりました。海上自衛隊事故調査委員会は、訓練の計画や管理態勢に問題があったとみてさらに調べています。


この問題は、先月、広島県江田島市にある海上自衛隊の施設で、特殊部隊、「特別警備隊」の養成課程の25歳の男性隊員が、15人の隊員をかわるがわる相手にする格闘訓練中に意識不明の重体になり、その後、死亡したもので、海上自衛隊事故調査委員会は、事実関係の調査を続けています。それによりますと、隊員は相手1人につき、およそ50秒間のルールで訓練を始めましたが、最初の数人で体力を消耗している様子が見られるようになりました。その後、首から投げられたり、体を押さえつけられたりして、あわせて3人の相手に次々に倒されました。隊員はそのたびに立ち上がっては訓練を続けていましたが、14人目のパンチが左あごに当たって失神し、そのまま意識不明の重体になりました。この間、立ち会っていた教官は、隊員に声をかけることはありましたが、14人目のパンチで倒れるまで訓練自体を中止することはありませんでした。これまでの調べでは、こうした格闘訓練がこの課程で行われたのは、平成13年の発足以降、ことし5月と今回の2回だけで、いずれも課程をやめていく隊員を対象に行われ、5月のときも隊員がけがをしています。死亡した隊員も課程を途中でやめるにあたり、この訓練をすることになりましたが、格闘の技量は、高くなかったということです。また、特別警備隊では、射撃などの訓練には自衛隊に所属する医師、「医官」を立ち会わせていますが、この訓練には、医官を立ち会わせていなかったこともわかりました。このため、海上自衛隊事故調査委員会は、訓練の計画や管理態勢に問題があったとみて、さらに調べています。


『隊員の格闘の技量が高くなかった』ことや、『訓練に医師を立ち会わせていなかったこと』は、「事故」が起きた原因ではなくて、死に至るこの集団暴行が(「訓練」の名目で)行われた理由なのだ。
つまり、はじめから「辞めたい」と言った人を制止が入らない状況でボコボコにする目的で、その目的を果たすために、こういう状況を作ったのである。
そう考えなければ、

こうした格闘訓練がこの課程で行われたのは、平成13年の発足以降、ことし5月と今回の2回だけで、いずれも課程をやめていく隊員を対象に行われ、5月のときも隊員がけがをしています。


ということを、どう説明するのだ。


「はじめから殺す目的だった」とまでは言わないにしても、こんな状況下で暴行を加えれば命の危険があることは、当然予測できたはずである。
暴行は計画的であって、「死に至った」という一点のみが思わぬことだったのだ。
そういう体質をあらためなければ、同様のことは、いくらでも置きつづける。
それを不問にすることに通じる、こんな報道を繰り返すNHKは、まさにこういう犯罪行為の片棒を担いでいるのである。