9条解釈の記事

27日の憲法9条についてのエントリーを「テルセキの自由広場」さんにトラックバックしたところ、そちらのコメント欄で、この条文の明快な解釈が示された記事の存在を教えていただいた。
「今日の憲法問題」さんの以下のエントリーが、それ。
驚くべき明晰な解釈と意見だ。

http://d.hatena.ne.jp/yuto-n/20050510


これは9条を、「侵略戦争」のみでなく、想定しうるすべての戦争の放棄ととらえる絶対平和主義の考えに立つもので、その具体策として第2項をとらえるという視点は、ぼくの27日の文章での解釈と同じである。

その上で,その目的(全ての戦争の放棄)を達するための具体策として,第2項において戦力不保持と交戦権否認を明記し,仮に戦争がしたくても「できない」しくみを整えた。こうして100%の平和主義,「非武装平和国家」の樹立を宣言しているのが9条の意味内容である。


その上で、ここではこうした9条の解釈の問題とは別に、戦後の日本が現実には「非武装平和国家」への道を歩もうとはしてこなかった事実への失望と批判が述べられ、「地域的集団安全保障」への努力の必要性が強調されている。
また「9条を護る」ことよりも、そこにこめられた「非武装平和国家」の理念を現実化していく努力の方が重要であるとの観点から、いわゆる「護憲的改憲」の議論への関心も表明されている。


ぼく自身は、9条が現実に果たしてきたと思われる最低限の「歯止め」的な役割を評価することと、「改憲の流れに乗れば、悪い改憲しかありえない」という護憲派の主張にも反駁しきれないものを感じるので、一応は護憲的な立場をとっている。
だが同時に、「改憲の流れに乗らなければ、改憲されずにすむのか」という疑問が大きいことと、9条を持った戦後の日本が現実にはその理念を生かすこととは程遠い国のあり方を続けてきたことを考えると、「護憲的改憲」の立場にも強い関心を示さざるをえないというのが、正直なところだ。