堀江社長と韓国のメディア

モンロー主義?

3日、ライブドア堀江社長外国特派員協会で講演を行ったが、そのなかで『(日本でも)やっとインターネットが民衆のものになったんですよ』と言ってたのには、ちょっと笑ってしまった。
いまどき日本で「民衆」という言葉を使う経営者はあまりいないだろう。特にこの人の口からこんな単語が出てくると、すごくミスマッチで面白い。
前に紹介したインタビューにも出てきたが、やはり韓国のオーマイニュースを相当意識してるのかもしれない。

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「ひかりごけ」・文明・餓死・抵抗

武田泰淳ひかりごけ』。


この小説の主題は重い。北海道の羅臼というところで、戦争の末期に起きたという「人肉食」の事件を扱ったものである。厳冬期、軍の補給部隊に属する一隻の船が羅臼近くの岬で難破し、数人の船員たちが周囲から隔絶された小屋のなかで孤立する。食料がやがて底をつき、船長であった人物が他の乗組員の肉を食べて生き残ったという事件である。
いま「重い」と書いたが、「食人」というのはなんとも実感の湧きにくい主題だ。人間が人間の肉を食べることは、人間文化にとって根本的なタブーであるとされる。フロイトもたしかそう言っていた。ぼくももちろん食べたことはないが、ぎりぎりの状況になったときに本当に食べられないものかどうか、分からない。
この点がまず気にかかる。

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