マイルチャンピオン回顧

アルパカが飼いたい。


天皇賞ダイワメジャーは、マイルチャンピオンシップパドックを、まるで王のように歩いていた。
改装された阪神競馬場の場内テレビで、京都から送られてくるその映像を見て、一瞬馬単の頭をこちらに切り替えようかと思ったが、結局はじめの考えどおりダンスインザムードを頭にした。結果は、この二頭の一騎打ちのようになった末に、ダイワが半馬身ぐらい先着。またハズレだ。
着差はわずかでも、内容はダイワの完勝だったと思う。絶好のスタートから二番手につけ、直線で先頭に立つとそのまま力で押し切ってしまった。すごい強い勝ち方だ。ダンス以外の馬は全てちぎられたが、そのダンスにしても、道中の位置取りなど武豊は完璧な騎乗をしたと思うが、あれは何度レースをやり直しても勝てないだろう。


実際、最近の何走かでは、ダンスは一度もダイワに先着していないことはぼくも気になっていて、「ダイワと馬体を合わせる形になったら、絶対勝てないだろうな」とレース直前に思っていたが、その通りになった。やっぱり苦手意識みたいなのは、馬にもあるんだと思う。
ダンスを馬券の中心にしたのは、それでも力差はそんなにないだろうということと、距離自体はこちらの方が得意に思えたこと、それに「雨が降ったらダンス」とハナから決めていたからだ。この馬は雨には強い、とくにやや重ぐらいの馬場が一番よく走るという印象があった。
そしてぼく自身も、雨降りのときには馬券の成績がいいという自負みたいなものがあった。


でも、それもこれもあの気配と馬体の本命馬に逆らったら、負けて当たり前だ。パドックでも一頭だけ格が違うという感じで際立っていたし、本馬場に入り輪乗りをしてるときの、あの落ち着いた様子。鞍上ともども、絶対的な自信さえ感じさせるものだった。
少なくとも中距離までなら、この馬への信頼度は今後も高い。


でも、あのゴール前は興奮したなあ。久しぶりに、「馬券を買った」という気がした。
見せ場を作ってくれた、武豊ダンスインザムードのおかげである。
でも、なんとか年内に一勝はしたいもんだ。