竹山徹朗さんのメルマガPUBLICITYで、東京でこの週末に行われる『ルート181』という映画の上映とイベントのことが紹介されていた。
http://www.emaga.com/info/7777.html
この映画は、イスラエルとパレスチナの監督が共同で作ったもので(パレスチナ出身のミシェル・クレイフィの作品は、何本か見たことがある)、パレスチナとイスラエルの「国境」を旅する映画、ということらしい。
関西でも上映があるのかな?上映時間270分というのも、興味をそそられる。
イスラエルとパレスチナのことというのは、色んな情報や知識は、断片的にはあるのだが、やはりよく分からない。
ただ、ひとつ思い出すのは、パレスチナ人のエドワード・サイードがたしか書いていたか、言っていたことで、これはぼくの記憶違いかもしれないのだが、幼いころにサイードが暮らしていた家というのが、その後イスラエルの領土ということになり、たまたまそこに住むことになったのが哲学者のマルティン・ブーバーだった、という話である。
サイードはそのことを、ずいぶん後年になって知ったはずである。
サイードとブーバーというのは、知識人としては少なくとも同業者であり、尊敬しあう関係でありえたはずの間柄だろう。それが、あの歴史的な出来事によって、片方の思い出と生活の場を、片方が奪い取って生活するという、不幸なことになってしまった。
サイードはこの偶然を知ったときに、どういうことを感じたのだろうか。
この話を聞いた(読んだ)ときに、イスラエルという国ができたときにパレスチナで起こったこと、また今も起きていることとは、どんなことなのか、少しだけ実感できたような気がした。
自分の幼年時代の思い出が詰まっている、かつて生活の場所であったところに、今は見ず知らずの人が住んで生活している。大事なことは、もちろんそこにも生活があるのだ、ということだ。そして、この生きている両者の、生活と生活との関係が、「奪い取る者」と「奪われた者」という図式のなかに強引にはめ込まれて決定されてしまう。
はっきり言えないが、あの場所で起きていることの意味の重要な部分は、そういうことではないかと思う。
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以下、PUBLICITYから、『ルート181』関連の情報のうち、すでに終わっているものを除いて転載します。
http://www.zenya.org/route181/event.html
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ROUTE 181 FRAGMENTS OF A JOURNEY IN PALESTINE - ISRAEL
「ルート181 パレスチナ〜イスラエルの旅の断章」
東京特別上映&監督来日トーク
2003年/270分/カラー/ベルギー、フランス、イギリス、ドイツ/
アラビア語、ヘブライ語
※下の日程は予定ですので、若干の時間変更もありえます。最
新の情報は前夜事務局までお問合せ下さい。
▼《第2回》上映&監督2人との公開シンポジウム
日時●10月15日(土)13時半〜(開場13時)
※先着100名(12:30に整理券を配布します)
会場●東京日仏学院
資料代●2500円
主催●NPO前夜、東京日仏学院
13:00 開場
13:30 映画『ルート181』第一部 上映(85分)
14:55 休憩(10分)
15:05 映画『ルート181』第二部 上映(107分)
17:00 休憩(10分)
17:10 映画『ルート181』第三部 上映(85分)
18:45 公開シンポジウム ミシェル・クレイフィ、エイアル
・シヴァン、板垣雄三、清末愛砂、菊池恵介、鄭栄桓他
20:15 終了予定
▼《第3回》上映&監督舞台挨拶
日時●10月16日(日)13時半〜(開場13時)
会場●ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)
前売り券●1800円
※チケットの申込みは東京演劇アンサンブル(03-3920-5232)
またはNPO前夜(03-5351-9260)まで。
主催●NPO前夜 後援●東京演劇アンサンブル
13:00 開場
13:30 映画『ルート181』第一部 上映(85分)
14:50 休憩(15分)
15:10 映画『ルート181』第二部 上映(107分)
17:00 休憩(15分)
17:15 映画『ルート181』第三部 上映(85分)
上映終了後 監督舞台挨拶 ミシェル.クレイフィ/高橋哲哉
、鵜飼哲
*M.クレイフィさよならパーティ(同会場にて/参加費別途)
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