転載 反排除運動への弾圧に対する抗議声明

大阪市の公園からの野宿者排除をめぐる動きのなかで、27日、5人の逮捕者が出たそうです。以下、MLより抗議声明を含む文章を転載します。
なお、一部改行しています。
それから、抗議声明の文中で、逮捕された方の名前が出ている部分は、ぼくの判断で伏せました。


(転載ここから)


新聞は世論調査安倍内閣支持60〜70%と第一面に掲げてますが現政権の政策により、排除されていっている人(排除するだけでは安心出来ず、声をあげることも圧していっている)は、世論調査の対象に含まれることはないのだから、合点が行く結果でしょうか。
さらに排除され声さえおしつぶされる人がどんどん増えていくのだから、ますます高支持率と書かれていくのでしょうか。



 長居公園仲間の会/釜ヶ崎トロールの会の方から
「 昨日(9/27)、僕らの仲間が5人逮捕されました。当局による運動つぶしの目的は明らかです。急遽会議を持って救援会を立ち上げ、抗議声明を作成しました。一部の報道には誹謗的な表現もありましたが、声明をご確認ください。不明な点は下記連絡先までお願いします。

 世界陸上やサミット誘致に向けて一斉撤去への段取りかもしれません。この冬にも、再び強制排除を強行される可能性は高まっています。

 抗議の声を大阪市や府警に届けたり、弁護し・訴訟費用等のカンパについて、なにとぞよろしくお願いします。」
という言葉と共に、次のメールをいただきました。
できましたら多くの方にお伝えください。
転送歓迎しますとのことです。




抗 議 声 明


 昨日(9/27)午前6時ごろ、私たちの仲間が4名、大阪府警により令状逮捕され、さらに午後9時ごろ、1名が逮捕されました。
 釜ヶ崎地域合同労組の○○さん、西成公園に住む二人、西成公園よろず相談所の仲間、釜ヶ崎トロールの会の仲間一人です。4名についての被疑事実は2件の「威力業務妨害」と「暴力行為等処罰に関する法律違反」。釜パトの1名についてはまだ詳細はわかっていません。


 私たちは即日、野宿者運動団体、支援団体、共闘してきた労働組合などで集まって話し合い、「9・27弾圧救援会」を立ち上げました。救援会では今回の弾圧を「西成公園などでの強制排除を織り込んだ、計画的な運動つぶし」とみています。
 私たちは、人間としての尊厳を守り「生き抜く」ための闘いとして貧困と排除と抗し闘ってきた野宿の仲間たちと、これからも一緒に闘い続けるという決意を強くしています。そして、あからさまな運動つぶしによってその非人間性をさらけだした大阪市大阪府警をけっして許さず、5名の仲間の奪還と運動の前進を勝ち取りたいと思います。

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 ○○さんは、定期的に大阪市が清掃・消毒に入る汐見橋大阪市浪速区)周辺に住む仲間の小屋で、清掃作業の際に不当な嫌がらせがないように監視する行動に継続的に取り組んでいます。4月27日(木)の同作業の際、市職員(大阪市建設局)が当人の許可無くビデオ撮影しているのを○○さんが抗議したことをもって、「威力業務妨害」と「暴行」としているものです。報道されたような手首をつかんだとか胸を小突いたという事実はありません。
 ○○さんは数年来、西成暑の警察官による釜ヶ崎労働者への暴行を糾弾する取り組みを続けていました。また、最近では「あいりん職安」を糾弾する取り組みに活発に取り組み、さらに汐見橋の現場では、市職員が仲間の小屋に「撤去告知ビラ」をべたべた貼り付ける行為を大阪弁護士会に人権救済の申し立てをして、弁護士会から市に対する「勧告」を引き出しました。今回はそうした一連の闘争への報復的弾圧という見方もあります。

 もう1件の被疑事実は、6月12日、西成公園の排除を巡る攻防のなかでのことです。西成公園では、近所の公園で強制的に排除され仲間を受け入れて新規に小屋を建てています。排除の際、大阪市は代替居住地も示さず、将来展望の見えない自立支援センターへの入所を勧めるだけでした。住処を失った仲間に、西成公園の労働者が「じゃあうちにおいでよ」と声をかけたのでした。このように西成公園では、排除に抵抗して生き抜くため、仲間の暮らしを仲間で支えようと、新たな仲間を迎え入れてきました。ですが大阪市はここでも「新規建設は許さない」と圧力をかけてきました。この日も「撤去勧告」に来ていた公園事務所職員(大阪市ゆとりとみどり振興局)に対する抗議行動を行っていました。 西成公園の3人は、○○さんや釜パトメンバーとともに数年来の反排除の取り組みに参加してきた仲間です。昨年夏、西成公園に強制排除の危機が迫ったときも、うつぼ・大阪城公園の行政代執行の時も、私たちは一緒に闘いました。

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 救援会では、大阪市はこの冬にも強制排除を再び強行してくる可能性があると見ています。そのための事前弾圧として5名を逮捕したのだと考えています。
 西成公園だけのことではなく、来年IAAF世界陸上が開催されるうえ、08年には「指定管理者制度」が導入される長居公園、08年に日本で開催されるG8サミットの開催候補地になっている大阪城公園、総合的な観光化をすすめようとしている中之島一帯でも、強制排除の可能性があると考えています。
 大阪市はいま、「行政改革」の名のもとに「経済再生」を推し進めています。
野宿者とブルーシートのテント、それを支える運動を「経済再生」のための「阻因」とみなして徹底的に排除しようとする、大阪市の強い決意を感じます。富める者のための「改革」や「経済」のために、野宿労働者をはじめ貧しい者たちが排除される社会状況に、強く抗議します。

 私たちは逮捕された仲間を支え続け、貧困と排除とどこまでも闘い続けます。
 今後ともご注目、ご支援をよろしくお願いします。

 2006年9月28日
9・27弾圧救援会
  連絡先:NPO法人釜ヶ崎医療連絡会議
(TEL/FAX 06-6647-8278 E-Mail:iryouren@air.ocn.ne.jp)

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【お願い】
●5名の仲間の同時逮捕、しかも3件別個の被疑事実ということで、救援会では弁護士費用や訴訟費用が不足しています。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。どうかよろしくお願いします。
 カンパ振込先
郵便振替口座 00940−5−79726(加入者名:釜ヶ崎医療連絡会議)
通信欄に9・27弾圧救援と書いてください。

●以下の連絡先に抗議の電話・FAXをお願いします。
大阪市経営企画室             06-6208-9720 
大阪市ゆとりとみどり振興局 総務部 庶務課 TEL06-6615-0614 FAX06-6615-0659
大阪市建設局 管理部 路政課        06-6615-6675
大阪市市民局 市民部
広聴相談課      TEL:06-6208-7333 FAX:06-6206-9999>
大阪府警察本部              TEL 06(6943)1234(代表)
西成警察署                06-6648-1234

(以上です)