従属からの脱却

日米関係の見直しということについて、いま左翼・保守派を問わず、「従属からの脱却」ということが盛んに言われている。
だが、どこかに「従属」することによって、日本自身が他の地域や国、人々を支配することがなくなるのであれば、むしろ日本は従属的である方がよい。
戦後の日米関係(と日本の政治体制)は、事実従属的であったと思うが、そのこと自体が悪なのではなく、そうあることによって自分たちのこれまでの支配的・植民地主義的な体質を保持し続けたということが悪なのだ。


「従属からの脱却」ということの正しい意味は、自分自身のみでなく、誰をも従属的に生きさせないような世界を作る、ということである。
「自立」や「独立」は、本当はすべて、その大きな理念に沿ってのみ(それを実現するためのものとしてのみ)意義を持つ。