彼我の違い

http://www.asahi.com/international/update/0521/TKY201005210451.html

哨戒艦沈没事件は北朝鮮の犯行との調査結果が出たことを受け、韓国主要紙は21日付朝刊で一斉に大きく伝えた。大手紙は社説で厳しく北朝鮮を非難するとともに、結論の信憑(しんぴょう)性をめぐって見方が分かれる世論の結束を呼びかけた。


ここで「主要紙」というのは、東亜、朝鮮、中央の三紙を指すのだろう。
最近の日本の論調を見ていると、朝日も含めた日本の大マスコミは、「民主化の敵」の役回りを背負ってきたこれら三紙と政治的には同じ陣営に属していることが分かるので、この表現もうなずけるところである。


しかし、日本との大きな違いは、これら「主要紙」がこぞって政府の「見方」を支持して非難の報道・論説を展開しても、韓国ではいまだに「見方が分かれ」「世論の結束」が実現していないという点だ。
マスコミ企業や政治評論家などというものは、内外の政治権力だの利益だのに左右されるのが当たり前で、注意して付き合わないと、簡単に判断を誤らされてしまうものだという真っ当な知恵と現実感覚を、日本とは違って民主化の歴史を経験してきたこの国の人たちの多くは、保持しているということだろう。
ひと言でいえば、民主主義の主役が誰で、敵が誰なのかを、よく知っているということである。