わけのわからない非難

どのぐらいのけが人なり逮捕者が出たのかとか、詳しいことを知らないけど、映像と関連記事を二三読んだ感想を書いておきます。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090929/p1


上の記事に書かれてることだと思うけど、こうした排外主義の行動、最近では個人をターゲットにしたデモなどが行われてるということ自体が、まず暴力です。どこの国のどんな社会にもあることかも知れないが、だからといってその暴力が黙認されていいことにはならない。
ところが日本の場合には、それが社会全体からたいてい黙認されている。これが、排外主義の対象になってる人にとっては、実際の行動以上の暴力でしょう。
それに比べると、この映像に映ってる直接的な暴力というのは、さしたる問題でないとさえ言える。


ぼくも、こういうデモについては、「ほっとけばいいのになあ」とか思ってしまうけど、それは、自分が矢面に立ったり、揉め事や緊張に直面するのが怖いから、ということもある。
緊張というのは、デモをしてる人たちの思想や行動に対してという意味もあるし、そういう他人に直面する怖さもあるし、それから社会全体に対する突出することへの気後れみたいなものもあるかも知れない。
しかしいずれにせよ、それをこうして黙認してることが、誰かへの大きな暴力に加担してるということは、間違いないんだよな。
誰かを言論と生活の場から排除するという、根本的な暴力を黙認してるわけだから。この根本的な場が排除によって損なわれてしまえば、もう言論の自由もヘッタクレも無くなってしまうのだ。


ともかく、こういう排外主義がまかりとおってることと、それ以上になんのかんのと理由をつけてそれを黙認してる社会全体の風潮こそがひどい暴力だ。
映像に映ってるようなのは、そのひとつの現われ、顕在化みたいなことでしかない。


まして、それに反対(社会全体に対しては異議)の意思表示をした方が(ネット上などで)非難されるというのは、わけがわからない。
ひょっとして「一人でやることはないじゃないか」という意見があるかもしれないけど、集団でやったらもっとたいへんな混乱になってたと思うよ。
無用の危険や混乱を引き起こさないで、社会(ぼくのような人)に自分たちの態度を自問してもらうには、最善のやり方だったんじゃないかと思う。それこそが肝心なのだから。