「嘆き」では済まないこと

毎日新聞の夕刊の一面にも載ってる『近事片々』というコラムの一節。
ちょっと批判しにくいネタだけど、今の世間全体の雰囲気を表わしてると思えるので、これも書いておく。

http://mainichi.jp/select/opinion/kinji/

教え子に交際を迫った校長は往年の映画「嘆きの天使」と二重写し。実直で生徒から尊敬された老教師が踊り子に一目ぼれ、人生を棒にふる。嗚呼(ああ)人間は何と愚かで懲りない動物か。


これは違うでしょ。
実直な老教師が「踊り子」に一目ぼれして人生を踏み外してどうなろうが、それはその人の勝手であり自由。
今回逮捕された校長の場合は、元教え子の女性に脅迫まがいのメールを何度も送りつけたりしたという、性暴力でありパワハラ
まだ容疑だとしても、問題になってるのは、そういう事柄だ。
被害者にとっては、『嗚呼(ああ)人間は何と愚かで懲りない動物か』では済まないこと。


なんで、こんなに本質をごまかすのか。
何が暴力であり、差別かということが見えていない、あるいは薄々分かっていて、お互いにかばい立てしようとしてるから、こういう記事が書かれるのだ。


いくらコラムでも、全国紙の一面にこんなひどい文章を載せてはいけない。
産経じゃあるまいし。