ルソーと希望

以前に読んだルソーの『告白』を開いてみたら、こんなところに線を引いてあった。
今読んでも、やはり面白い。

白水社の新書版『ルソー選集 1』(小林善彦訳)より。

遠い先の見通しが、私を動かすほどの力を持つことは、めったにない。未来が不確かなため、いつも私は長期にわたる実行計画を、人をだます罠だとみなした。抱くになんの手間もかからない希望ならば、私も人並みに希望にふける。しかし、長い間苦労しなければならないのなら、もうついて行くのはやめだ。手のとどくところにあるほんの小さな希望のほうが、天国の喜びよりも、私の気を誘う。(p174)