『コーラ』28号

九州の地震があったり、自分自身も再び沖縄(辺野古)に行ったりしたため、紹介がすっかり遅くなりました。
『コーラ』の新しい号が発行されています。
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私と広坂さんによる連載物ですが、今回は『太平記』に加えて、以前にこのブログに載せた馬琴の『椿説弓張月』についての拙文も題材になっています。
この物語を知っている方には説明不要ですが、この後半の琉球篇というのは、権勢の絶頂にあった平清盛の追討を思い立った主人公の源為朝が、潜んでいた阿蘇の山中で兵を挙げ、水俣の浜辺から漁船に乗り組んで都(福原)へと向かったが、途中で暴風雨に襲われて琉球に流れ着いたところから、展開が始まるわけです。
(以下転載)

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 ●新連載<前近代を再発掘する>第4回●
  浪人的なものをめぐって
  岡田有生・広坂朋信
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/zenkindai-4.html

  ■北条高時の腹切りやぐら
  神奈川県鎌倉市には、高時の腹切りやぐらと呼ばれる場所がある。言い伝え
 によれば、元弘三年(1333)、後醍醐方についた新田義貞の軍勢に攻め込まれ
 た北条一族八七四人は、東勝寺に立てこもり、もはやこれまでと自害したその
 場所だとされている。かつては心霊スポットとして知られていたが、専門家の
 調査によれば大量の人骨が埋まっているということはなかったそうだ(河野眞
 知郎『中世都市鎌倉』講談社学術文庫)。遺体は別の場所に埋葬されたのかも
 しれない。(以下、Webに続く)

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 ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
  第38章 和歌三態の説、貫之・俊成編
  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-38.html

  貫之の歌論や貫之が詠んだ歌の世界を、俊成や定家のそれらと比較対照し、
 その実質を一言で言い表わす言葉がもしあるとすれば、それは「像」(イマー
 ジュ)ではないか。そして、俊成の場合であれば「喩」(フィギュール)が、
 定家ならば「虚象」(パンタスマ、フランス語表記に平仄をあわせるなら、
 ファントームもしくはミラージュ)という語が、それぞれの歌論と歌の世界の
 特質を言い当て、他との感触の違いを際立たせる言葉としてふさわしいのでは
 ないか。吉本隆明の言語表現論の眼目である像と喩の理論をめぐって思案をめ
 ぐらせているうち、そんなことを考えるようになりました。
 (以下、Webに続く)

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 ●連載「新・玩物草紙」●
  澁澤龍彦の玩物草紙/動物園
  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-18.html

  連載の「新・玩物草紙」(旧・日々雑読)をはじめるきっかけになったの
 は、澁澤龍彦『玩物草紙』(朝日新聞社/1979)だ。「私が興味を持つ宇
 宙は私自身であり、私が目をやるのは私自身の肉体というミクロコスモスであ
 る」という17世紀イギリスの名エッセイストであるトマス・ブラウンを文中
 で引用しながら展開された20篇の草紙。澁澤自身の幼年時代の想い出や書物
 の数々から紡ぎだされた《精神も肉体もふくめた私自身というミクロコスモス
 に関する、一種のコスモグラフィー》は、語り口の柔らかさもあり、澁澤の博
 物誌的な書物とは少しばかり趣が違っていた。父に聞かされたハレー彗星、4
 歳まで住んでいた町の沼のほとりでの怖い錯誤記憶、1歳3ケ月なのにツェッ
 ペリン伯号を眺めた記憶、父の金のカフスボタンを呑んでしまった事件などが
 印象的だった。草紙の挿画は加山又造、装幀は栃折久美子。当時、加山又造
 挿画を真似してイラストを何枚も描いた。(以下、Webに続く)

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