ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

コルトレーンのバラード演奏についてとか、公民権運動と60年代のジャズ・シーンの関係とか、あるいはコルトレーンとぼくの伯父さんとか、意味のありそうなことを書こうと思ったのだが、どうも書けない。
2曲目の「DEDICATED TO YOU」と3曲目の「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」のトレーンのソロが、ともかく最高である。聴いてください。
コルトレーンは本当はバラード演奏こそ素晴らしいという、70年代以後繰り返されてきた紋切り型をいくら積み重ねても、なんでこんな奇跡的な演奏が生まれたのかはわからない。
今回聞きなおして思ったことのひとつは、演奏もさることながら、伝説的なミキサーであるルディ・ヴァン・ゲルダーの録音の手腕を賞賛せねばならんのだろう、ということだ。


本当に甘美で完璧な音楽は、人からすべての力を奪ってしまうのではないだろうか。

ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン