『コーラ』19号のご案内

Web評論誌『コーラ』の新しい号が出ましたので、案内を転載します。
現代思想を再考する」のシリーズは、STさんの論考でこれまでに一区切りをつけると同時に、今回から第2期がスタート。その最初の文章を書かせていただきました。


(以下転載)


■■■Web評論誌『コーラ』19号のご案内■■■

 ★サイトの表紙はこちらです(すぐクリック!)。
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/index.html

 ●現代思想を再考する6●
  差異と継承

  ST(コメント:広坂朋信)
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/gendaisisou-6.html
  1:差異
  この文章で問題となるのは差異とその継承である。そこでまず、批判・検討
 を加えるべき叩き台として問いを立てる:差異を如何にして継承するか?
  この問いの批判・検討をされるべき点は、この問いが、差異を継承に先立っ
 て現前するものであると聞き手に誤解させる恐れのある点である。つまりこの
 問いは、現前的で同一な差異というものがまずあって、その後にそれを継承す
 る方法を問う問いであると、聞き手に誤解させる恐れがある。
  しかし勿論、「現前的で同一な差異」という文は矛盾している。差異は差異
 である限り、いかなる現前性と同一性からも差異化する。だから差異は、差異
 として現前性と同一性において規定されること自体からも差異化するものであ
 る。つまり差異は、差異(という規定)から差異化し、したがって差異自身か
 ら、自己自身から差異化する。自己からの差異化が差異である。(以下、Web
 に続く)

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 ●現代思想を再考する[第2期]1●
  柄谷行人『世界史の構造』の枠組みについて

  岡田有生(コメント:広坂朋信)
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/gendaisisou-s1.html
  柄谷の態度変更・批評から体系へ
  80年代以後の日本を代表する批評家・思想家である柄谷行人の著作『世界史
 の構造』が出版されたのは、2010年6月のことだ。その時、書物好き、思想好
 きの人の間では、この本は大きな話題になったと思うのだが、僕は80年前後か
 らの愛読者でありながら、この本をこれまで読まずにきた。正直、柄谷に対す
 る関心が、いつ頃からかすっかり薄れていたためである。
  ただ、この大作の概要のようなことが書かれている『世界共和国へ』という
 本が、2006年に岩波新書から出され、そちらの方は読んだ。だから、著者の主
 張の大枠は知っていたわけだが、その内実というか、思想の中味のようなこと
 については、この本を読んではじめて知ることになったと言っていいと思う。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第23章

  中原紀生
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/uta-23.html

  ■宇宙音声が飛び交い、アラベスクのごとく文字が立ち上がり絡まる場所
  司馬遼太郎は『十六の話』に収められた「アラベスク──井筒俊彦氏を悼
 む」で、井筒俊彦の学問をめぐって、「古今東西の万巻の古典をそれぞれの言
 語で読み、それをつきあわせつつ、個人や集団がもっている無意識下の深層に
 入り、その混沌の本質をつかまえ、体系化した」と書いています。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   アイロニカルな沖縄料理/詩想の箱

  寺田 操
http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/singanbutusousi-9.html
  アイロニカルな沖縄料理
  八重洋一郎詩集『沖縄料理考』出版舎Mugen/2012・7・7)を開く。料理考
 とあるが、詩集はけしてグルメではない、生きのびるための食なのだと優しく
 笑いかけながら宣戦布告された。
 《あのドストエフスキー描く/悪魔さえまっさおな/ニヒリスト/スタヴロー
 ギン/豪華なパーティーの席上/だれかにチョット/声をかける/お耳を拝
 借…… そして何かを/ささやく(ふり)/ガフッ!/耳をちぎれんばかりに
//(昔 恋人を争って相手の耳を食べたものもいる)//コリリ コリリ
 クラゲのような/その噛みごこち》(「耳ガー」)(以下、Webに続く)