中継なし

ワールドカップなんてまったく見る気がなかったのだが、始まったら全中継を見てる。
いいかげんなものである。
それにしても、今日は朝刊のテレビ欄を見て目を疑った。
楽しみにしてた朝鮮とブラジルの試合の中継を、地上波ではどの局でもやらないではないか!


なんでも試合は夜中の3時半からだそうだ。
深夜の試合というのは、イタリアやドイツの試合も地上波の中継はなかったという。
別に「北朝鮮の試合だから」中継しない、ということではないのかもしれん。
でもねえ。


今大会は東アジアから、日本、韓国、朝鮮と、三つの代表チームが出てるわけだよ。
日本には当然ながら、多くの在日朝鮮人(国籍はともかく)が居て、朝鮮民主主義人民共和国に親戚とかが居る人だって少なくないだろう。
いくら深夜の試合でも、たくさんの人が見られるように、中継しようということにはならないわけ?


しかも代表チームには、Jリーグでも活躍する鄭大世や、元Jリーガーの安英学といった在日の選手が居る。
これはもう、在日の人たちのみならず、日本の多くのサッカーファンの注目の試合でもあるわけだよ。
鄭大世は、きのうの日本の勝利を受けて、こういうふうにブログに書いてる。
http://bit.ly/aq4uh1
こういう言葉や気持ちにこたえるようなものを、日本のメディアや社会は持ってないのかね。


それに朝鮮のことだけじゃないよ。
日系の人を含めて、ブラジル人も日本には今たくさん暮らしている。
派遣切りやなにやで、この人たちも日本でずいぶん苦しい目、悲しい目にあってるじゃないの。
ブラジルの人たちにとって、ワールドカップの持つ意味は、ぼくらの想像を越えるものでさえあるだろう。


おおぜいの人たちが日本で暮らしていて、しかも苦しい状況に置かれている朝鮮とブラジル、この両国の人たちのためにも、この試合は是非地上波で放映して欲しかった。
そんな意見は、放送局では出なかったのかな?
「他に例がないから」と、もっともらしい理由をつけて見送られたのか。
「高校無償化」問題に限らず、これほどひどい差別が蔓延してる状況も知ってるはずなのにな。
そういう無感覚や冷たさこそが、日本と世界との間、人と人との間を隔て遠ざけてる、最大のものだと思うけどな。